緻密な取材力と企画力で、時代を捉える経済誌・ビジネス誌。ビジネスパーソンが主な購読者で、パブリシティ効果も高いと広報から熱視線を浴びる一方、機密性の高い情報をスクープされたりと、時に手強い相手にもなりうる。本特集では、特に注目を集める5誌の編集長が、広報とメディアの理想的な関係について語ります。
講談社 『クーリエ・ジャポン』編集長 冨倉由樹央(とみくら・ゆきお)氏
1972年愛知県生まれ。東京大学文学部卒業。96年講談社に入社し、書籍編集部、米ランダムハウス社への出向を経て、2005年、創刊直前の『クーリエ・ジャポン』編集部に異動。2010年2月より現職。
無機質なリリースではなく
媒体ごとの“提案”がほしい
無機質なFAXのリリースは、ほとんど目を通しません。逆に言えば、表書きが直筆で書いてあるだけで目を引きますよね。こちらが取材依頼をした際にも、例えば「過去に○○特集をやっていたけど、こういう事案で取材をすれば違った切り口になるのでは?」などの提案があると耳を傾けたくなります。広報の方が、プレスリリースをもう少しだけ真面目に考えることで、互いに実現できる仕事が増えるのではないでしょうか。
クロスメディアでファン増
全世界で1500を超えるメディアの記事をキュレーションし、独自の取材も行う国際ニュース月刊誌『クーリエ・ジャポン』。「世界を変える会社BEST50」「21世紀のホワイト企業」など、ここ最近は働き方にフォーカスした特集が目を引く。
「働き方を選べるということは、生き方を選べるようになったということ …