緻密な取材力と企画力で、時代を捉える経済誌・ビジネス誌。ビジネスパーソンが主な購読者で、パブリシティ効果も高いと広報から熱視線を浴びる一方、機密性の高い情報をスクープされたりと、時に手強い相手にもなりうる。本特集では、特に注目を集める5誌の編集長が、広報とメディアの理想的な関係について語ります。

朝日新聞出版『AERA』編集長 浜田敬子(はまだ・けいこ)氏
1989年朝日新聞入社。前橋、仙台支局を経て93年から週刊朝日編集部。99年からAERA編集部。2004年から同副編集長。06年育児休業を取得、2013年に同編集長代理、2014年4月から編集長。現在、テレビ朝日『モーニングショー』火曜コメンテーター、BS朝日『ザ・インタビュー』でインタビュアーを務める。
「ニッポンの課長」候補は広報との雑談からストック
企業や官公庁の課長にインタビューする連載「ニッポンの課長」は、広報の方から「うちにこんなに面白い課長がいる」と情報をいただくことが多いです。人を取り上げる連載や特集では、広報の方に急きょお願いしてセッティングしてもらうもこと多いですね。日ごろから広報の方とはできるだけ関係性をつくるようにし、「ストック」した人脈の中から人選しています。
「子なしハラスメント」に反響
朝日新聞出版の週刊誌『AERA』は、30代から50代前半の働き盛りの世代をコアターゲットとし、この世代が持つ悩みを360度フォローすることを目指す。「結婚してない人もいれば、子どものいる人もいます。親の介護の問題もありますし、それぞれ仮想の読者を想定して、その人が抱えているものすべて私たちの雑誌を読めば満足できる内容を目指しています」。
読者に密着した雑誌だからこそ、読者の声から生まれる企画も少なくない。「子なしハラスメント」という、どきりとする言葉を表紙に掲げた特集「子どもがいないとダメですか?」(4月20日号)は、まさにこうした読者の声が出発点になった。
「以前『子どもがいないのは人に非ずか』という2ページの企画を組んだ際 …