今回の企画にご協力いただいた編集長の皆さまが体験した「微妙な広報対応」を匿名で明かしていただきました。

電話取材、切る直前に本音がポロリ…
嫌味は切ってからにして!
某専門紙編集長
広報に質問してもすぐに回答が出されず、「たらい回し」にされたこともあります。結果、回答はすでに開示された通り一遍の内容でした。また、某食品メーカーに取材したときの話ですが、電話取材を終える際、受話器越しに、広報担当者の「しつこいな」という呟きが聞こえたことも……。
このほか、アンケートを依頼した際、締め切り日を過ぎて催促の電話を入れると、平気な声で「忘れていた」と言われたことが……。こちらも1社だけではありません。
逆に、印象に残っている良い対応もあります。事故の再発防止など負のイメージが伴う難しいテーマで広報担当に取材を依頼した際、社内調整の上、迅速に対応してもらい、結果的に取材を受けてもらった大手企業の広報の方がいました。トップ(会長・社長級)と広報間の連絡体制が密で、トップのインタビュー依頼にもすぐ応じてもらえました。トップ自身が広報機能を重視している姿勢も伺えましたね。
前日深夜にもかかわらずメールでアポとり…
メールオンリー広報にウンザリ
某大手誌編集長
最近思うのですが、何でもメールで済ませようとする人が多くて困っています。会ったこともない(もしくは、こちらにそう思われている程度の認識の)人からいきなりアポイントや発表会の案内が来て、それが出席を強要するような内容だったり、いきなり翌日や翌々日の時間指定されたアポイントが深夜に入ったり。1日100通以上のメールが来るので正直、そういう方の優先順位は下がります。もう少しコミュニケ―ションの仕方を考えてほしいです。
逆に感動した例が、編集ページはもちろん、タイアップページに関しても「『○○(媒体名)』さんらしい切り口でお願いします」と言われるのが一番うれしいと同時に、こちらも気を引き締めねば、と気合が入ります。ターゲットや、部数だけでなく、雑誌の方向性をきちんと鑑みて広告を出していただけているのだな、と。「○月号の○ページの企画がよかったのでそういうテンションで作ってほしい」とかも感激しますね。
経営幹部になったとたんに豹変!
企業イメージを悪化させた広報
某専門誌編集長
かつての広報担当がグループの経営幹部になり、態度が悪い方に変わった。属人的なことだが、そのグループの広報全体への心証も悪くなった。メディアとの付き合いを熟知しているはずの元広報が経営幹部になり、広報対応も当然、その幹部の意向を反映すると思われる。現役広報の対応が悪くなくても、上の態度を考えるとその広報全体の信頼感はなくなる。
企業にとって広報が重要な役割を果たす時代であるのに、いまだに専門セクションを置かずに総務などの仕事と兼務にしている企業もあります。
また、企業規模から見ても広報セクションの人員があまりに少ないと思われる企業も。ただスタッフを増やせばいいというのではありませんが、経営トップは広報の重要性にもっと目を向けるべきです。マスコミ対応では、言えること・言えないこと、などいろいろな事情もあるでしょうが、真摯に対応してくださる広報スタッフがいる企業には好感を持ちます。