この10年、現場で挑戦を続けてきた35人の実務家の皆さんが考える広報の仕事の醍醐味とは? 企業はもちろん、自治体や大学まで、あらゆる場面で広報の力を実感したというエピソードも満載です。未来への提言、読者へのメッセージもいただきました。
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タニタ ブランディング推進室室長 広報・新事業開拓統括1984年大学卒業、業界紙を経て89年日刊工業新聞社入社。編集局科学技術部、第二産業部、第一産業部記者、北東京支局長、第一産業部副部長を経て、2006年タニタ入社、広報室長に就任。2013年4月ブランディング推進室室長。
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Q1:広報の仕事における「座右の銘」/その理由を教えてください。
A1:人との対応は常に誠実で謙虚であれ。/どのような場面であっても、誠意をもって人と対応すれば、すぐではなくてもいつかは自分自身のキャリアに役立つ。
Q2:これまでのキャリアのなかで、最も広報の力を実感したエピソード、仕事の醍醐味や面白さ、やりがいを感じた経験を教えてください。
A2:社員食堂の話題を一過性のものにするのではなく、それをキラーコンテンツとして「丸の内タニタ食堂」の立ち上げにかかわるパブリシティや映画化の実現に結び付けていったこと。さらに「タニタ=健康」というブランドイメージ定着に反映していくことができたこと。
Q3:この先10年の間に、広報の仕事に求められるスキルを教えてください。(3つまで)
A3:[1]コミュニケーション力[2]センス[3]前例踏襲主義の排除
Q4:過去10年の「広報」の役割の変化。これからの企業・社会における「広報」の意義や役割とは?
A4:広報活動が経営の一部として位置づけられるのであれば、いつまでも間接部門であっては、それを実現できない。なぜなら、いくらコストをかけたり、効果測定をしたりしたとしても、それはマスターベーションにすぎない。広報は企画部門であり、新しいビジネスを興していくインキュベータであることを経営陣が認識し、ブランディングを含めた役割を担っていくべきだと考える。
Q5:「広報会議」読者、これからのPR・広報の仕事を担う皆さんへメッセージをお願いします。
A5:広報活動やブランディングは、一夜にしてなし得るものではない。地道な活動の繰り返しと、偶然を必然に変える取り組みが重要。成功もあれば、失敗もある。これをきちんと検証し、改善していく心構えが必要だ。