この10年、現場で挑戦を続けてきた35人の実務家の皆さんが考える広報の仕事の醍醐味とは? 企業はもちろん、自治体や大学まで、あらゆる場面で広報の力を実感したというエピソードも満載です。未来への提言、読者へのメッセージもいただきました。
カルビー コーポレートコミュニケーション本部 本部長 1995年入社。7年間営業を経験し、その後経営トップ支援(秘書)やワークスタイル改革に従事。2010年初代ダイバーシティ委員長。12年広報部長、14年現職。当本部は広報・お客様相談室・食育など様々なステークホルダーの皆様とコミュニケーションをする窓口。
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Q1:広報の仕事における「座右の銘」/その理由を教えてください。
A1:「百聞は一見にしかず 百見は一考にしかず 百考は一行にしかず 百行は一果にしかず」/文字通り、頭も体も労を惜しまず。人から聞いても、自分で見なければ本当のことは分からない。たくさん見ても、考えなければ前に進まない。どんなに考えても「行動」を起こさなければ前には進まない。どんなに行動をしても、成果を残さなければ成長しない。
Q2:これまでのキャリアのなかで、最も広報の力を実感したエピソード、仕事の醍醐味や面白さ、やりがいを感じた経験を教えてください。
A2:広報部になったとき、過去に自分が深く関わった案件(ダイバーシティ推進やワークスタイル改革など)の取材を受け、対応をするうちに思わず熱が入り、それが記事や番組というカタチになって「見たよ!すごいね」と言われたり、当時一緒に頑張ったメンバーが、周囲からそれを言われて恥ずかしがりながらも嬉しそうにしているのを見たりしたとき、まるで自分のまいた種を刈り取る作業ができたようで、とてもやりがいを感じました。その経験から、自分が関わっていない様々な事業案件も、そのぐらいの気持ちで社内外に伝えることができたら、きっとその当事者たちも自分と同じように喜んでくれるのではないか?と感じ、取材対応にはいつも熱が入ります。
Q3:この先10年の間に、広報の仕事に求められるスキルを教えてください。(3つまで)
A3:(1)コーディネート力(2)人に好かれる営業力(3)変化対応力
Q4:過去10年の「広報」の役割の変化。これからの企業・社会における「広報」の意義や役割とは?
A4:広報は、企業における「攻めと守りの要」。広報活動は、ボディブローのようにジワジワ効いてきます。お金をかけずに手間を惜しまず、誠実に対応することで、それが実現できると考えます。インナーコミュニケーションも併せて取り組むことで、企業として一貫性のあるメッセージを醸成し、社外に発信し、様々なメディア露出を通じて、それがまた従業員に返ってきて、よりメッセージが骨太になる、と捉えています。
Q5:「広報会議」読者、これからのPR・広報の仕事を担う皆さんへメッセージをお願いします。
A5:広報は、企業全体、社会全体を敏感に感じ取ることができ、常に最新の情報を必要とするとても刺激的な仕事です。ぜひ、一緒に楽しみながら進化しましょう。