この時代に「手でつくる」ことの意味
デジタルテクノロジーの進化によって、近年ものづくりがどんどん変化をしています。3Dプリンタが登場した頃から、平面だけではなく、立体をも簡単に作ることができるようになり、「DIY」のあり方も変わってきています。テクノロジーやデータの活用によるものづくりの効率化、簡便化にはよい面がある一方で、できあがったものにその人らしさが見えなくなったり、似たようなものが量産されてしまう、さらには人が本来持っている力が発揮されなくなってしまう――そんなことが危惧されます。そこで、今回の青山デザイン会議では、こんな時代に「手でつくることの意味」をあらためて考えてみたいと思います。BEAMSで「工芸とデザインの橋渡し」をテーマとするfennicaレーベルのディレクター 北村恵子さん、さまざまなブランドで手がけたプロダクトの模型の展示が話題を集めたプロダクトデザイナー 藤城成貴さん、そして広告の仕事をする一方で、自ら企画して広告とアートの中間にある作品をつくり続けるアートディレクター 八木秀人さん。「手でつくる」ことを考え続けている3人にお話いただきました。