広告コピーにおける普遍性とは?
広告コピーって、ふしぎ。コピーライターとして走り始めた20代半ば。
名作コピーの時間
広告コピーって、ふしぎ。コピーライターとして走り始めた20代半ば。
柳島さんは入社してすぐの師匠で、弟子の駄作を眺めてはため息ばかりついていた。
新入社員のころ、海外の名作広告を勉強していた時に、一枚のポスターに出会いました。ポストイットの広告なのですが、ガンジーの写真にポストイットが貼られ、ただひとこと「Don’t forget.」というコピーが添えられています(マザー・テレサや、広島の原子雲をモチーフにしたシリーズもあります)。
「このバカまじめ!…ゆうパック」姉弟ゲンカしていた4歳の息子が突然、捨て台詞を吐くように言ったんです(その瞬間、家族でズッコケ笑ってしまったのは言うまでもありません)。自分のコピー原体験も、やっぱりテレビCMだったなぁと。
触ってごらん、ウールだよ。当時田舎の小学校に通っていたわたしは、この広告にバイラルのすごさを教わりました。男子も女子も互いを気にしているのに、素直になれなかったあのころ。触ってごらん、ウールだよ。は、そんなわたしたちを解放してくれる、魔法の言葉でした。
虎に柄があるように、人にも人柄がある。そして、人がつくる以上、コピーには人柄があらわれると思っています。
プール教室が大っ嫌いでした。帰りに、その商業施設の下の階の本屋さんに寄るのが楽しみだった僕が、文庫本の帯に書いてあった「想像力と数百円」と出会ったのは小学生のとき。
コピーは広告という経済活動で使用される言葉。だと考えれば、コピーの目指す究極は「そのコピーが市場までつくる」ことではなかろうか、とふと気づいたのは5年前くらいに月島のマクドナルドの前を通ったとき。「朝マック」という国民誰もが知っているコピーを見たときです。
超能力を見たことがある人と見たことがない人だったら、見たことがある人のほうが、超能力を使えるようになる確率が高いに違いない。
1999年にコピーライターとして博報堂に入社した。幸運にも、一年目の仕事で朝日広告賞やTCCの新人賞も獲得できた。「ソハラってやつは、わりとできるらしい」ということだったかもしれない。