「うちで踊ろう」(2020年、星野源)他
名言ヅラしていなくて、みんなのおもちゃになるようなコピーが好きです。「ダッダーン」は幼稚園でゲラゲラ笑いながら真似していた、原体験とも言えるコピー。当時はダダンというのが商品名だということも知らず、ただ語感が面白くてひたすら繰り返していたのですが、それってコピーの究極の到達点ではないかと思うのです。意味がないけれど魅力的な言葉には今でも強い憧れがあります。
名作コピーの時間
パイロット「パイロット万年筆」/1969年
○セリフ/大橋巨泉
資生堂「秋の新色キャンペーン」/1974年
○C/小野田隆雄
オンワード樫山「J・プレス」/1980年 ○C/糸井重里
「みじかびの〜」は、1969年の誰もが知ってる大ヒットCM。僕は当時小学四年生。初めてCMのコトバを面白いと意識した経験だったような気がします。意味よりも音で書け、というのは、コピー作法として今でも通用するでしょうが、その最高のサンプルでしょう。ナンセンスなコトバの面白さでありながら、S音の心地よさは万年筆の書き味の見事なシズル表現になっており、「すぎちょびれ」にはきびきびしたインクのイメージ、「はっぱふみふみ」には万年筆によって美しい手紙や韻文が生み出されていく文学的香気のようなものまでうっすらと感じ取れるのが凄いと思います。
「海岸通りの〜」は …