「いい空は青い。」(2002年、一倉宏)他
大学生のときにANAのマイレージカードをつくった。当時ぼんやりとあった「ANA、なんかかっこいいよね」という空気。その空気は(私的には)間違いなくSMAPの「オキナワッ」ってCMがつくっていた。それはテレビとか映画とか、あらゆるエンタメよりかっこよく見えた。もちろんお金のない学生だからANAには乗れなかったのだけれど。
名作コピーの時間
日産自動車/1988年
○C/糸井重里
資生堂/1999年
○C/山本高史
ワールド/1986年 ○C/仲畑貴志
重要な新型車の発売コピーが、くうねるあそぶ。ですよ。もう新鮮なんてもんじゃなかった。コピーだけがポンと投げ出されるティザー広告、井上陽水の強烈な登場の後、いよいよ現れる新型車。それが打ち立てようとしていた「新しいかっこよさ」「もっと自由な価値観」が、就職活動中の学生だった僕にもビンビン伝わってきて、広告の仕事に就きたいという気持ちが高まったのを憶えています。人の生き方についての言葉なのに軽やかで、それが商品の価値そのものになっていくのに驚きました。
しかし名作に憧れたり、仰ぎ見たりしているだけで良いコピーが書けるようになるはずもなく、パッとしない下積み時代が続きました。そんな時期に「ええなぁ、これ!」と机に貼った記憶のある、資生堂の企業CMシリーズのコピーです。女性が豊かに歳を重ねてゆくことをテーマに …