体にしみこんでいる言葉。
ついつい口ずさむサウンドロゴ。「やめられない、とまらない」は今思えばポテチでもカールでもチップスターでもあてはまる。あらゆるスナック菓子で使える"大きなコピー"だ。でもそこは先に言った者の勝ち。カルビーかっぱえびせんの専売イメージで定着している。当時30円の小袋サイズは値段の割に量が感じられ、遠足のおやつにも重宝した。小学生の僕は売上に貢献していた。
名作コピーの時間
ついつい口ずさむサウンドロゴ。「やめられない、とまらない」は今思えばポテチでもカールでもチップスターでもあてはまる。あらゆるスナック菓子で使える"大きなコピー"だ。でもそこは先に言った者の勝ち。カルビーかっぱえびせんの専売イメージで定着している。当時30円の小袋サイズは値段の割に量が感じられ、遠足のおやつにも重宝した。小学生の僕は売上に貢献していた。
ずっと青春にあこがれています。青春いいな。青春うらやましいな。でも、どうやら自分には青春をする才能がないらしいので、このまま青春にあこがれながら死んでいくことになりそうです。
長年この仕事をやっていますが、コピーについて語るのは初めてで照れますね。でも、いろんなコピー、つまり広告を思い出す作業は、頭の中で30年を一気に旅する感覚で心地よかった。僕は高校まで鹿児島で暮らしてまして。毎日サッカーして、テレビ見ながら晩御飯を食べる平凡な日々でしたが、そんな田舎の少年の心を鷲掴みにしたCMが、ランボーです。
持って生まれた性器だけで性別は判定できないことを、誰もが理解しはじめた時代に、男だ、女だというのは野暮だなぁと思いつつ、男を自覚して生きていると思われる人が、絶妙な女感覚を捉えたいいコピーを書いていると、席を立って拍手したいような気持ちに駆られる。というわけで、今まで出会い、驚いた「男子が書いている女子のコピー」をあげてみた。
新人だった頃、秋山晶さんとランチによく行きました。ある日、料理を待つ間、思い切って聞きました。「秋山さんは、自分のコピーで何がいちばん好きですか?」。秋山さんは少し考えて「広告として好きなのは…男は黙って、かな」。あぁ、なるほど。40年以上も前のコピーなのに、いろんな世代が知っている。パロディにも使われたり。しかも、商品名まで入っていて。よく考えれば、それってすごい。僕は、そんなコピーを1本でも書けるのか?と悶々としながら、中華麺をすすりました。
会社に入って2年目で東京から大阪へ転勤になり、新しい職場に行ってみたらそこでは「君は平面の(と昔は言ってた)コピーライターだ」と言われ、それから7年間電子レンジのスペックなんかを書きながら悶々と過ごしました。そんな時、サントリーCANビールのCMでペンギンのアニメが日本中で大人気に。夢のような甘酸っぱい世界がそこにありました。CMって素晴らしいと思いました。
実は…コピーライターを自覚できてまだ3年目ぐらいなのです。新入社員当時、名刺に入ってはいたけど、絶対になれないと思っていた。そんな自分が、なぜコピーライターを名乗れるようになったのかなと…。ああ、強制的にコピーを書く"筋トレ"が一因かもと。当時は「無理」「まじか」と思ったのですが、逆にコピーの素晴らしさを指で実感できた。その"筋トレ"で出会った名作の一部が、先の二本です。
東京。銀座線渋谷駅。初めての独り暮らしと慣れない仕事と記録的な猛暑でヘロヘロになった僕の目は、頭に鉛筆を何本も挿した女の子と、そのコピーに釘付けになった。第42回宣伝会議賞のポスター。コピーのこともコピーライターという仕事のこともまるで知らない僕がナチュラルにキャッチされた瞬間だった。まさに惹句。とにかく話が早かった。初めて応募した宣伝会議賞の結果は散々だったけれど、このポスターとの出会いがなければ、このポスターの前で足を止めることがなければ、僕は今どこでなにをしているかわからない。
小学5年の冬。体育の前の着替えの時間になると、クラスの男子の誰かが必ず「チャップイ チャップイ どんとポッチイ」と騒ぎだした。そして一人が始めれば、周囲も続いて憑りつかれたように大合唱。飽きもせずチャップイチャップイと繰り返す集団の様子は、怖くすらあった。
スターの、ことば。二十七歳の秋。僕はあるハウスエージェンシーで広告制作とは無縁の仕事をしていた。とくに不満もなかったが、大した夢もなかった。