「うちで踊ろう」(2020年、星野源)他
名言ヅラしていなくて、みんなのおもちゃになるようなコピーが好きです。「ダッダーン」は幼稚園でゲラゲラ笑いながら真似していた、原体験とも言えるコピー。当時はダダンというのが商品名だということも知らず、ただ語感が面白くてひたすら繰り返していたのですが、それってコピーの究極の到達点ではないかと思うのです。意味がないけれど魅力的な言葉には今でも強い憧れがあります。
名作コピーの時間
三陽商会/1996年
○C/眞木準
九州旅客鉄道/1993年
○C/仲畑貴志
旭化成工業/1996年
○C/石川英嗣
自分ではゼッタイ書けない3本を選んでみました。書けないからこそあこがれる名作たちです。飲み屋で、広告業界じゃない人に自分の仕事の話をするとき、これらのコピーの魅力をあたかも自分が書いたかのように熱弁し、「ほら、コピーライターってかっこいいだろ?」と、したり顔で烏龍茶を飲んでいます(下戸なのです)。
1本目のバーバリーは、人が服を買いたくなるときの気持ちを、実にあざやかに捉えていて大好きです。新しい服のソデに腕を通したときの、あの少し誇らしいような高揚感。ボク自身はそもそも去年の服も平気で着るタイプなので、このコピーを見ると余計に「新しい服買わなきゃ」と思います。
2本目のJR九州も同様です。長距離電車に乗っているとき特有の、あの寂しさと不安と興奮が入り混じった不思議な気持ちを、とても的確に捉えているなと …