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広告、そしてクリエイティブはどこへ向かう?2019年の日本そして世界の潮流を予測

ADKクリエイティブ・ワン 森永賢治、レイ・イナモト

2019年、広告そして広告会社、さらにコミュニケーション産業はどこへ向かうのか。ADKクリエイティブ・ワン 代表取締役社長の森永賢治氏とニューヨークを拠点に世界を舞台に活躍しているInamoto & Co. Founding Partnerのレイ・イナモト氏の2名に2019年の広告、そしてクリエイティブの潮流を聞く。

(写真右)inamoto & Co. Founding Partner レイ・イナモト氏
(写真左)ADKクリエイティブ・ワン 代表取締役社長 森永賢治氏

2018年11月、アサツー ディ・ケイは2019年1月より「ADKホールディングス」を純粋持株会社とした、持株会社体制へ移行することを発表。傘下の事業会社として「ADKマーケティング・ソリューションズ」、「ADKクリエイティブ・ワン」、「ADKエモーションズ」に再編し、機能を分化することで個々の組織がよりフットワーク軽く、市場の変化に対応することを目指すとしている。

ADKアーツも一緒になり稼働する、総勢700名の総合クリエイティブ会社である「ADKクリエイティブ・ワン」の代表取締役社長を務める森永賢治氏とニューヨークを拠点に世界を舞台に活躍しているInamoto & Co.Founding Partnerのレイ・イナモト氏の2名に2019年の広告、そしてクリエイティブの潮流を聞く。

影響から共感へ情報の質が問われる時代に

─お二人は今、広告・コミュニケーションビジネスがどのような方向に向かっているとお考えですか。

レイ:今から4、5年ほど前に僕は、「広告は終わった」という発言をしました。合わせて、「360度のコミュニケーションから、365日のコネクションへ」という考えも提唱しました。この状況は今も続いていると思います。さらに最近、顕著になっていることとして「マスからパーソナルへ」「影響から共感へ」「モノからコト」へという潮流も感じています。

森永:「影響から共感へ」という潮流は、私も感じています。かつて、広告業界は企業と消費者をつなぐ、そのコミュニケーションを担う存在でした。そこではいかに消費者に影響を与えるかが重視されていました。しかしSNSが浸透し、消費者同士のコミュニケーションが生まれている環境が登場。

その中でここ数年は企業が消費者の“お邪魔をしない”ことが意識されていたように思います。それが次第に「コンテンツ」として広告が捉えられるようになり、消費者にとっても共感&共有できるエンタテインメントと一緒に企業のメッセージを届けようという流れになっているのです。

レイ:流通する情報量が爆発的に増える以前は広告予算があれば、ある程度は消費者に「影響」を与えることができました。しかし今の環境では情報の量ではなく、質が求められている。それが「共感」の時代が意味するところです。

森永:以前の広告コミュニケーションは、企業側が設定した商品・サービスの価値を起点に設計されました。しかし今は、消費者が何に反応するのか、消費者間で何を共有したがっているのか、そういった「共感・共有価値」を軸にしたプランニングが必要です。消費者の共感、さらにSDGsが注目されるように社会の共感を得るためには、その商品・サービスを柔軟にリ・ポジショニングする必要もあるでしょう。イメージで言うと「ボーリングからカーリング」に変わったという感じでしょうか。

今も昔も的に当てたい気持ちは変わらない。けれども球を投げて終わりではなく、相手がどう受け取るか反響を見ながら、カーリングのように情報の広がりを少しずつ調整していくような努力が求められていますね。

コミュニケーション以外でもクリエイティビティを発揮すべき

─「マスからパーソナルへ」。つまり消費者の価値観は多様化しているということですよね。その消費者の共感を得るのは非常に難しいことではないでしょうか。

レイ:無数の共感の軸がありますよね。しかし、矛盾したことを言うようですが、共感の時代だからこそ、消費者に委ねるだけでなく、自らの姿勢を明確にすることが機能する場面も多くあります。例えば2018年、アメリカではナイキがNFLの試合で国歌斉唱中の起立を拒否して話題になった、コリン・キャパニック選手を起用したキャンペーンを展開し、賛否両論の意見が巻き起こりました。

ナイキという企業は、彼の個人としての理念に共感をしているので、反対する人が多いことが分かっていながら彼を起用した。彼のブランドも立ち上げているので、その姿勢は表面的な応援ではありません。

森永:そうですね。ちょっとした差異だけでは企業は生き残れなくなりつつある。すべての消費者の共感を得ることは難しく、それでも強い志を持つことが企業側に求められていますね。

─レイさんは「広告は終わった」と言いました。それでは、これからの広告ビジネスはどのような役割を担うべきとお考えですか。

レイ:5年前、従来型のエージェンシーの時代は終わったと考え、2016年に独立して現在の会社を立ち上げました。これまでエージェンシーはコミュニケーションを考えることにクリエイティビティを発揮してきましたが、コミュニケーションを考えること以上にクリエイティビティを発揮する場面が増えていると考えてのことです。

森永:1月1日から稼働するADKクリエイティブ・ワンも同じような考えを持っています。クリエイターだけでなくプランニング、プロモーションなどの部門からメンバーが集まった約700名の組織ですが、すべての力を結集して、コミュニケーション開発に留まらない、価値創造のお手伝いをすることを目的に発足しました。

最近、広告やメディアありきではない相談をしたいと考える企業が増えていると感じますが、従来の広告会社の立ち位置だと、なかなかそうした相談はしづらかったと思います。プランニング&クリエイティブだけ機能分化したことで、広告ありきではない多様な課題解決に貢献できればと考えています。

─2019年のお二人の抱負、計画をお聞かせください。

レイ:アメリカで起業して3年。僕がいなくとも仕事が回るようになったので、2019年内に日本にオフィスを立ち上げる予定です

森永:年明けからADKクリエイティブ・ワンが始動します。デジタルメディア、マスメディアから最新のテクノロジーを駆使した新手法まで、あらゆる接点で最適なコミュニケーションを「ワン・ストップ」で手掛けていきます。また傘下に多彩なクリエイティブ・ブティックやキャスティング会社を置いているので、社会を動かすPR発想のクリエイティブや、戦略的なエンタメ&コンテンツ商材開発、体験型のコミュニケーションなど、常識に捕らわれないアイデアを創出していけると思います。

分社化したことで、他社とのアライアンスもフットワーク軽く対応できるようになります。レイさんにもアドバイスをいただいていますが、多様なプレイヤーの方々ともアライアンスを組んでいきたいですね。

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