2012年に開局した無料BS放送の「Dlife(ディーライフ)」。F2層向けをメインターゲットに、ディズニー番組や海外ドラマを放送している。このDlifeの開局当時から一緒に取り組みを続けているのが化粧品ブランドを多数抱えるコーセーだ。その取り組みの内容や同社がDlifeに期待していることを聞いた。
M3層向けが多かったBS放送 新たな層を切り開いたDlife
F2層からの支持を集めるBS放送の「Dlife(ディーライフ)」。Dlifeとコーセーがコラボを始めるきっかけとなったのは、同社のスキンケアブランド「雪肌精」の30周年だ。ディズニーが運営しているDlifeだからこそ手掛けられるディズニー商品とのコラボとして、「シンデレラ」を皮切りに、「アナと雪の女王」や現在上映中の「くるみ割り人形」など、さまざまなキャラクターや映画とコラボした広告を行ってきた。
2012年当時、ディズニーが立ち上げたメディアが日本に進出してきたことでDlifeには注目していたと話すのは、同社 宣伝部 宣伝企画・PR課 課長の小林祐樹氏だ。
「当時のDlifeさんのメディアの買い付け方が、これまでになく先進的で、注目していました。当社の基本的なスタンスとしては、新しいメディアはまず様子を見た上で、導入するかどうかの判断を行っています。しかしDlifeさんは他社に先行して取り組みを始めるべきだと判断し、会社を説得してお付き合いを開始しました」。
魅力に感じたのはDlifeがF2層向けとターゲットをしっかり絞っていた点も大きいと話す小林氏。上陸してきた当時のBS放送はM3層向けの番組が多く、女性向けは韓流ドラマや通販番組などが多かった。その中でしっかりとF2層向けを掲げていたDlifeは魅力的だったのだという。
「地上波の場合、局側も世帯視聴率を獲得するため、世帯向けの番組が多くなる傾向にある。そのため局間のコンテンツや視聴者の差が薄くなっているように感じています。しかしDlifeさんはF1、F2層向けに絞っている姿勢が明確に分かり、独自の色が出ているところが強みだと感じています。広告主から見れば、これまでになくターゲットが絞りこまれ、かつ番組の内容も女性に合っている点が魅力に思いました。番組の特性や価値が当社の求めていたものと合致していたことはもちろん、Dlifeさんがこちらの要望をくみ取り熱心にお話してくれたこともあり、取り組みを決めました」。
コラボで世界観は壊さない 一気通貫したメッセージを届ける
クリエイティブの質にこだわり、常に世界観を重視した広告を展開してきたコーセー。小林氏はテレビCMについて「ただ単に企業が伝えたいメッセージを伝えるためのツールとしてだけでなく、女性たちに憧れを抱いてもらえるコンテンツとして機能することを目指している」と考えを話す。
「デジタル化が進むにつれ、デジタル広告への出稿も強化してきましたが、PCやスマートフォンの画面は小さく、かつデジタル広告を見ている時、ユーザーは何か情報を得ようとする能動的な姿勢にあります。明確な目的がある時、そのついでに目にするようなものとなっていることに懸念を感じていました。化粧品やスキンケアブランドのCMは、テレビや映画を観るときのようなリラックスした状態で観てほしい。Dlifeさんは番組の特徴からもリラックスした状態で観ている方が多かったので、そこにも魅力を感じました」。
コラボを行う際には、ブランドの持っている世界観を壊さないように気をつけていると小林氏。例えば雪肌精であれば青いボトルの色合いを生かす、パッケージに情報を詰め込みすぎて世界観を壊さないようにするなど心がけているという。その理由は世界観に理解を示してくれている既存ファンが離れないようにするためだ。
同社 宣伝部 宣伝企画・PR課の山内鞠那氏は「コラボをするといっても、それだけでは消費者に伝えたいことは伝わらず、ブランドの世界観から一気通貫したメッセージを消費者に届けることが重要と、当社では考えています。『シンデレラ』のコラボをDlifeさんと行ったときはプランニングから一気通貫してコンテンツをつくったことでうまくいったのではと思います」。
同業他社も注目をする取り組み インナーモチベーション向上にも
F2層の獲得を目的に始めたDlifeへの広告出稿やコラボだったが、コンテンツラインナップからF1層へのアプローチにも効果があると確信し、F1層がメインターゲットである「雪肌粋」の広告にも活用している。数値面以外にも同業他社からの取り組みへの興味関心が高く、話を聞かれることがあるという。
さらに年1回、優秀な美容部員を表彰するコンテストを行っている同社は、優勝者と準優勝者をDlifeのインフォマーシャルにも出演。インナーモチベーションの向上にも一役買っていると話す。
「取り組みを始めた当時から社内でも『Dlifeで観たよ』という声をいただいていました。今は取り組み自体が定着し、反響の声も当時ほどは聞かれなくなっている側面もありますので、新たな挑戦もしていきたいですね」。
効率だけを求めるのではなく、コンテンツの質を高めるための工夫もDlifeと直接話し合いを重ね、つくり上げてきた同社。今後もブランドとキャラクターをうまくコラボさせた商品や楽しい企画を行っていきたい考えだ。
Dlifeへの広告出稿に関するお問い合わせ先
電話番号:03-6752-4045
URL:Dlife.jp