2009年にスタートし、9回目を迎えた「宣伝会議サミット2018」。宣伝会議では、2018年11月14日、15日の2日間にわたり、ANAインターコンチネンタルホテル東京にて開催した。本サミットでは、広告・マーケティングの領域で、日々刻々と変わる環境に、力強くもしなやかに対応し、成果を出しているマーケティング・宣伝部門の担当者が登壇。成果を上げた事例のHow toのみならず、仕事に臨むマインドセットについて紹介した。その講演の一部をレポートする。
広告表現に規制があるからこそ顧客のデータを使ったマーケティングを
喫煙者を取り巻く環境は日々厳しいものになっている。また、これまで主流であった紙巻きたばこに代わる加熱式たばこの登場で喫煙スタイルにも大きな変化が訪れている。
紙巻きたばこではシェア61%と優位性を保っていたJTだが、加熱式たばこでは競合の先行を許している。同社でデジタルマーケティングを担当する平谷朋也氏が、従来の機能やスペックから、商品が消費者の生活の何を変えるのか、どのような価値を提供するのか、画一から個へと訴求内容を転換し、反転攻勢を狙う取り組みを解説した。
たばこ業界は、サンプリングや広告表現に規制があり、マーケティング活動が制限されている。しかし、成人、喫煙者に限れば、オンライン、オフラインともにプロモーション活動ができるため、同社では、顧客情報を集めてそれぞれの個にアプローチするマーケティングを実施。Webサイトの訪問者にID登録を促し、ID取得後は購買行動などに応じたプログラムを用意している。また、継続的に利用している顧客に対してのロイヤルティを高める施策やポイント付与を行い、そのステータスに応じたインセンティブも設けている。
平谷氏は「顧客中心のマーケティング活動に必要なのはデータ。そのデータをどこに蓄積し、どう分析するかが重要になる」と話した。
同社では、ビッグデータに特化したコンサルティングやシステムの設計・開発サービスを提供するクラスメソッドのカスタマーストーリーアナリティクスを活用し、コミュケーション設計に生かしていると説明。平谷氏はそのメリットに「ビジネスへの理解があること、ユーザーの課題に合わせたサービス調整やコンサルティングにも期待できるところ」を挙げた。
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いよいよ本格化するオンライン運用でテレビCM・動画広告に新たな革命
2017年10月からテレビCMのオンライン運用が始まった。テレビ、デジタル、DOOHの3スクリーンを横断したデータ・素材の管理をオンラインで完結させるデジタルトランスフォーメーションの基礎が出来上がったのだ。
CDO Club Japan代表&創立者の加茂純氏は冒頭で「テレビCMとデジタルの融合という面で日本は遅れている。広告主と広告業がともに新しい価値を探求し、欧米並みの進化を遂げたいと考えている」とテーマを投げかけ、最前線のスペシャリスト4名を交えてパネルディスカッションを行った。
まず、Group IMD 事業開発本部 兼 セールスマネージャーの田中郷資氏が海外の事例を紹介。「イギリスの放送局が自社開発したAIを駆使したコンテキスチュアルCMは、番組の字幕・映像・音声を自動分析し、好感度の高いシーンに最適なテレビCMを挿入するという内容。例えば男性2人が仲良くビールを飲むシーンをAIが特定し、直後にビールのCMを流すことで通常の2倍以上のリコール率を実現した」。
テレビCMを常に最適化できる海外市場においても斬新な仕組みだが、その基礎にはオンライン運用がある。
また、米国本土でスーパーボウルを観戦する家族とポーランドの米軍基地で離れて暮らす兵士がバーチャルカメラで結ばれる感動の再会を収めたCMを試合直後に全米でオンエアした"リアルタイム・クリエイティブ"事例では場内に歓声が沸き上がった。
パネルディスカッションでは、テレビCMと動画広告の未来を話し合い、「4K・8Kの登場でテレビの変革の時期がきた」(インテージ 開発本部 エグゼクティブマネージャー 深田航志氏)、「次はファイブG!日本のテクノロジーの力を結集し、進化させよう」(デルフィス 常務取締役 土橋代幸氏)と各々展望を示した。
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