2009年にスタートし、9回目を迎えた「宣伝会議サミット2018」。宣伝会議では、2018年11月14日、15日の2日間にわたり、ANAインターコンチネンタルホテル東京にて開催した。本サミットでは、広告・マーケティングの領域で、日々刻々と変わる環境に、力強くもしなやかに対応し、成果を出しているマーケティング・宣伝部門の担当者が登壇。成果を上げた事例のHow toのみならず、仕事に臨むマインドセットについて紹介した。その講演の一部をレポートする。
医師のお墨付きを活用する新・ヘルスケアマーケティングの可能性
健康意識の高まりを受け、拡大を続けるヘルスケア市場。しかし、広告表現の制限や競合商品との差別化に悩みを抱える企業が多いという。
そのような中で、エムスリーは日本最大級の医療従事者向けサイト「m3.com」を運営し、医師の80%を占める27万人以上の医師会員に役立つ情報を配信。また、医師のネットワークとデータを活用して『医療×IT』に特化させたマーケティング支援を行っている。
その中でも注目されるのが「AskDoctors評価サービス」だ。医師の知見とその集合知のデータを活用し、商品開発や商品の評価を実現するプロモーション手法をとっている。
例えば『100名のうち86%の医師が推奨』といったPOPや新聞広告、交通広告、Webサイトまで幅広く展開できるのが特徴で、用途は健康商材から食品・知育玩具・寝具・保険など多岐にわたる。クライアントのニーズに合致した医師をリクルーティングして出演交渉をするサービスもあるそうだ(医薬品・医療機器・医薬部外品・化粧品は除く)。
エムスリー コンシューママーケティンググループ マーケティングプロデューサー 津田宗利氏は、この評価サービスについて、「100名以上の医師を対象に、資料とサンプル、エビデンスなどの材料を提供して評価を行っていただく。医師からの評価の75%以上が肯定意見だった商品に対して医師の確認済み商品としてマークをつけている。この評価サービスには、①商品信頼度の向上、②付加価値による商品適正価格の向上、③競合商品との差別化、④流通・小売り店向け営業の効率化、以上4点のメリットがあり、採用企業の87%が売上アップにつながったと回答している」と述べた。

エムスリー
コンシューママーケティンググループ
マーケティングプロデューサー
津田宗利氏

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良質なコンテンツを的確にターゲットに届ける新たな動画配信マーケティング
現在家庭に設置されているテレビのうち、900万台がインターネットに接続されており、さらにテレビ番組を通じて何らかのID登録をしている人は570万人にものぼっているという。これにより、誰が、どんな番組を見て、どのような行動をとっているのかというデータが蓄積され、マーケティングに活用することが可能となっている。
日本テレビ時代にテレビとインターネットの連携を手がけ、2012年にソーシャルテレビ視聴サービス「JoinTV」を立ち上げた経歴を持つHAROiD 代表取締役社長の安藤聖泰氏は、「2020年には動画配信にも大きな変化が予想される。その前夜として2019年にも動きがある」と話した。
一方で動画コミュニケーションの課題として、ターゲティングをしてコンテンツをつくっても、ターゲットにうまく届いていないと指摘。クオリティの高い動画コンテンツをつくる技術と、ターゲットに的確に届ける技術を両立させるため、映像制作に強みを持つ日本テレビグループ会社HAROiDとPR会社としての知見を持つオズマピーアールが共同で「VNNニュースチャンネル」を立ち上げたと説明した。
動画には、短時間で多くの情報を伝えられる、記憶に残りやすいといったメリットがある。それらを生かした新しいソリューションが、報道目線のニュース形式で、狙ったターゲットにニュースを届けるサービス「VNNニュースチャンネル」だという。
福島伯幟繞氏は、動画広告を視聴すると45%が認知し、21%が好意を持ち、17%が購入しているというデータを紹介。「効果が上がった年齢層は、16歳から30歳というこれからの消費の中心世代。今から動画配信に注力しておくのは決して早すぎるわけではない」と語り、動画配信の重要性を訴えた。

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