10月16日、宣伝会議・東京本社(表参道)にて「真の顧客課題を捉え、新たな価値を生み出すデジタル・イノベーションセミナー」を開催(主催:テイ・デイ・エス)。デジタルクリエイティブスクールHyper Islandの創設者のひとりであるJonathan Briggs氏らが登壇し、デジタルシフトが急速に進みビジネス変革が求められる今、必須となるスキルやマインドセットについて、企業の実例をもとに議論が行われた。
居心地の良い場所を飛び出し自ら新たなことを試してみる
海外デザインファームをはじめとした事業パートナーからソリューションを共有し、独自の戦略アプローチを形成して企業の経営活動のサポートを推進するテイ・デイ・エスは、「デジタルのハーバード大学」と称されるHyper Islandのメソッドを紹介するセミナーを開催した。
Hyper Islandは1995年にスウェーデンで開校した後、欧米、アジアにも拠点を広げている。テクノロジー、ビジネス、クリエイティビティ、リーダーシップの最先端の知識を包括的に学ぶプログラムに特長があり、生徒自らが設計・実施するプロジェクトを通じて「Learning by doing(やりながら学ぶ)」というスタイルで解決策を見つけていく実践重視の次世代人材育成スクールだ。
第1部ではHyper Islandの創業者のひとりである、Jonathan Briggs氏が登壇。同氏は、まず「いまや全世界で40億人がインターネットユーザー。最も大きなイノベーションは、①データ、②機械学習(AI含む)、③IoT、④自動化、の4つだ。しかし知らない間に自分のデータが売買されることも現実に起きているので、自分自身で自分のすべてをコントロールしていると考えてはいけない」と現状を述べた。
いま、企業も変革を迫られている。同氏が注目するのはアリババグループが展開するスーパーマーケットのHemaだ。顧客は店内で商品のQRコードを読み取ると、出荷先、生産者の写真などの情報を自分の端末に表示できる。「何を提供できるかでなく、何をするべきかという観点を持つと、顧客の生活がリッチなものになっていく」と顧客中心設計の重要性を語った。
では、この変革期に求められるスキルとは何か。同氏は、①クリエイティブ、②リーダーシップ、③アジリティー、④適切にフィルターをかけること、⑤適切なツールを探すこと、⑥効果的なチームを構成すること、という6つの点を挙げた。
また教育方針について、「現実に即した問題をさまざまな視点から解決する。座学ではなく、実体験と振り返りを大事にしている」と紹介した。
第2部ではシドニー在住のdoq Pty Ltd代表 作野善教氏が登壇。現役生徒の立場から「自分が心地よいと感じるエリアにいる限り、学びは薄い。常に新しい挑戦が必要とされる環境で多くのことを吸収したら、心地よいと感じるゾーンが少しずつ大きくなっていった」と語った。
第3部ではJonathan Briggs氏、作野氏が登壇し、変革期の日本企業にフォーカスを当てたパネルディスカッションを実施。Jonathan Briggs氏は「すでに日本でもイノベーションは起きている。もっと高みを目指していく段階」と述べ、新しいことにチャレンジするモチベーションについては、「試してみる」というマインドセットが必要と語った。
来場者へのメッセージとして、「自分の安全圏から抜け出し、変化を楽しみ、自ら変化していく行動を」(Jonathan Briggs氏)、「違う観点から物事を見てほしい」(作野氏)と述べ、セミナーを締めくくった。
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