メディアとの関係性は、一朝一夕では築けない。前のめりに攻めたら良いというものでもないし、引きすぎてもダメ。売り込む側、売り込まれる側のベテラン3人が本音トークで語ります。
中川▶吉柳さんは学生時代に、すでにプロモーターとして身を立てていたと聞いています。
吉柳▶20歳の時にはすでに、PR会社のテレビ担当として働いていました。新聞のテレビ欄でテレビ局の代表電話番号を調べては、学校から日々30件ぐらいプロモートのアポを取るための電話をして、社会人のふりをしてテレビ局に通っていましたね。テレビのエンディングロールを録画して、プロデューサーやディレクター、曜日担当ディレクターなどの名前を全部メモして当たっていましたし、局内に潜入できた時は、連絡ボードに書いてあるスタッフの序列とか全部メモしていました。
嶋▶僕は今でも、テレビのワンクールごとに番組のスタッフのテロップをエクセル化してます。プロデューサーから美術さんまで。これ、基本情報だし。代表に電話すればつないでくれるし。それから制作スケジュールを把握することも大事。校了したから明日なら編集者に会いに行っても大丈夫とかわかるしね。
中川▶メディア側の認識だと、PR会社の人は、「何かを自分の媒体に押し込みたいウザイ人」ですが、たまに欲しかったものを持ってきた時は超感謝。
嶋▶自分が掲載したいネタじゃない話の時でも、媒体に役立つ情報があれば持っていく。いかに「こいつは俺にネタをくれる」って思わせるか。都合のいい時だけ尻尾をふっても信頼されないでしょ。
吉柳▶自分が売り込みたいものと別の話をするのは大事ですよね。私は最初にノウハウを得たかったので、「あなたの番組の役に立てることを何でも調べてくるので、1つ役に立てたらテレビに取り上げてもらえる方法を教えてください」というところから始めました。「じゃあ、大学生で流行っているものを調べてきてくれる?」みたいな感じで言われて、企画書をファクスしていましたね。