忙しい合間を縫って、足しげくメディアキャラバンを重ねる美人広報たち。重い荷物をかつぎ、1日5件を分刻み、中には自転車移動という強者も。どんなに忙しくても、相手の印象に残る工夫を忘れない。1日スケジュールから伝えるポイント・秘訣まで、美人広報に密着します。
“歩くブランド”と呼ばれるまで
化粧品広報歴10年目というアルビオンの西野絵梨さん。ポール&ジョーを担当し、昨年からレ・メルヴェイユーズ ラデュレのPRマネージャーを務める。積極的にメディアキャラバンに行くPR文化が主流という同社で、足しげくメディアに通ってきた。「アシスタント時代は、着ていく服から仕草まで、とことん先輩から教わりました。いかに相手に印象的に伝わるようにできるか、今も試行錯誤の繰り返しです」。
西野さんの頭の中には、何百人というメディアのメイクの嗜好が叩き込まれている。「その人の好みや新しさに合うカラーを提案します」。関係性を築く中で、メディアの間でも“西野ファン”が増えていき、今では自身の取材を申し込まれる機会も多い。そんな西野さんの、とあるキャラバン日に密着!
[10:00]
朝からフル稼働!
メールチェックしつつ出社
スマホでメールチェックしながら出社するのが基本。その日の優先順位を頭の中にインプットし、出社するとすぐに動けるように準備する。メディアからの問い合わせも少ない午前中に集中して、原稿校正、アンケート、メール返信などのデスクワークを済ませる。
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指先まで抜かりなし!メディアに合わせたファッション
モード誌ならモード、OLファッション誌ならコンサバとメディアに合わせてその日の服装のトーンも変える。編集部ではずっと話しているため、喉のケアのためにプロポリスキャンディは必需品。バッグはラデュレを持参。
[12:00]
常に状態の良いメイクを キープが基本!
キャラバンで忙しい時期は、ランチも社内でさくっと済ませることが多い。ランチを食べたら、さっとメイク直し。ブランドの顔として、綺麗なメイクをキープすることはもちろん、どんなに忙しくても化粧のりの良い肌状態を保つことは化粧品広報にとって重要な役割。
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クイックランチにメイク直し、ランチ時間も効率的に
メイク直しには「一刷けで元気そうに見える」チークを欠かさない。キャラバンでは、「西野さんはどんな風に使っているの?」と自身の使い方を聞かれることも多いため、メイクは念入りに。忙しいキャラバンシーズンは、ランチも急ぎめに社内で取ることが多い。よく食べる簡単ランチは、サラダ+パン+コーヒーか、玄米おにぎり+副菜の組み合わせ。
[13:00]
メディアの意見を伝達、 各部署が集まり情報共有
各部署が集まる社内会議に出る機会も多い。新商品の発売前にいち早くメディアに試してもらい、その生の声を聞くのも広報の大切な役目。「新商品の反応を誰よりも早く見られるということも広報の醍醐味。メディアの意見をタイムリーに伝えられるよう心掛けています」。
[14:00]
いざ、メディアキャラバン出発!
商品に資料、サンプルと大量の荷物をまとめて出発。シリーズで新商品が出る時などは特に荷物が多くなる。多い時には大きなバッグ5個持ちという時も。タクシーを使うこともあるが、基本的には電車移動。その日のコーディネートはメディア特性に合わせて変える。
目安は1件トータル30分、いかに印象強く伝えられるかが勝負
多岐に渡る製品を抱え、各編集部を訪問。テーマにあわせた布を敷いたりと、机の上での製品の見せ方にも気を配る。1件当たりの時間は、30分~45分。「リリースに載っていない情報をいかに印象強く伝えられるかが勝負。各人の嗜好を頭にインプットし、その人に合うカラーを提案します」。
[14:30]
女性誌A編集部訪問。
[15:30]
女性誌B編集部訪問。
多い時には、一日に4~5件回ることも
「荷物がかさばることが多いので一気に回れないことも多々。最低2件は行きます」。移動時間のロスを短縮し、効率的に動けるよう、なるべく同じ出版社やエリアごとにまとめて訪問できるようにアポイントを取ることもポイント。「荷物がかさばることも多いので、一気に回れないことも多々。ですが、最低2件は訪問できるようにスケジュールを組みます」。
[16:15]
目で見て、触って体験してもらう商品プレゼン
「化粧品は実際に見るだけでなく、触って嗅いで肌で体験してもらうのが一番伝わります」と話すように、相手や自分の肌にのせて商品特性を体験してもらう。意識するのは、「今、相手が何を欲しているか」を図ること。忙しそうなら早めに切り上げることも気遣いのひとつ。
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100人以上の美容担当記者の好みや似合いのカラーなどは頭に
キャラバンの最後に渡す、新商品のサンプル。「数百人以上の美容担当記者の好みや似合いのカラーなどは頭に入っています」と話すように、それぞれの嗜好に合わせてカラーも選定する。「美容広報歴も10年目なので、担当記者の好みは把握しています。人好きなので、特にリスト化しなくても、自然と頭に入るのかも」。
[18:00]
帰社し、アポ入れ、色校・雑誌チェックなど
夕方に帰社すると、翌日以降の準備や、校正・雑誌チェックなどに取り掛かる。「キャラバンは体力的には疲れますが、いろんな人と会えて刺激そして息抜きにもなります」。忙しい時期はこの時間から打ち合わせが入ることも。基本的に20時には帰れるように効率的に仕事を進める。
日中、なかなか時間が取れないメディアに対しては、まれに19時以降にアポイントを取らせてもらうこともあります。
アルビオンレ・メルヴェイユーズ ラデュレPRマネージャー「雑誌・美容・人」が好きで、大学卒業後はファッション誌の編集職を経験。2004年よりポール & ジョー ボーテのPRを担当し、2012年より現職に。メディアを通してブランド、商品のPR活動に努める。趣味は大人になってから始めたクラッシックバレエ。 |