メディアにアプローチする上で欠かせないのが「言葉」。メディアに効く言葉とは、どんなものなのか。リリースでの言葉活用術をもとに、PRコンサルタントの野呂エイシロウ氏が語る、記者を誘惑する言葉とは。
あなたは、リリースを読まれる時間を知っていますか?5分...10分...いやいや残念ながらそんなに長くありません。正解は、“わずか2秒”です。「せっかく書いたのに2秒?」と思うかもしれませんが、そんなものです。マスコミが見るのは「タイトル」と「写真」と「社名」です。有名な会社なら、「スポンサーなので読まないと」と思って、リリースを読みますが、そうでない限りは、なかなか中身にまでたどり着けません。だからタイトルです。
好きな人に書くラブレターは、心に響く言葉を選んで並べると思います。懸命に言葉を選んで書き出します。それと一緒です。リリースを好きになってもらうために大切なのは、タイトルです。テレビマンは番組のラテ欄を書くために、それこそ何時間も費やします。何度も何度も、何十回も書き直して新聞に掲載します。そう、言わずもがな、メディアは言葉の達人なのです。そんな達人に採用されるためには、ノウハウではなく、心で刺していきましょう。
殺し文句は、“一番”
リリースの目的は「好き」になってもらうことです。マスコミはある意味「好き」「嫌い」で取材対象を決めます。もちろん事件とか政治はそんなことはありませんが、その他はディレクターの「好き」「嫌い」で決まることが多々あります。
だから、「“好き”になってもらえるラブレター」を書きましょう。ご存知の方も多いと思いますが、よく広報の世界では、「広告はBUY ME」「広報はLOVE ME」と言われます。そのとおりだと思います。「私の会社を好きになって」「私の会社の製品を好きになって」というメッセージを伝えるのが、リリースです。
しかも、読んでもらえるのはたった2秒。タイトルで9割が決まります。できればそこに殺し文句が必要です。恋愛で「君が一番好きだよ!」というのと同じように、「一番」「No.1」という言葉が必要です。これは、選んだディレクターも社内を説得するのに使えます。「この分野で一番らしいんですよ」と言えば、上司もすんなり取材OKになる確率が高いのです。
映画の予告編を作る気分で
リリースのボディコピーは映画の予告編と同じです。映画の予告編は、映画の美味しいところが全て入っています。それと一緒です。タイトルとボディコピーだけですべてが分かるようにしましょう。映画の予告編だけでたくさんの人が映画館に足を運ぶように、コピーだけでメディアの心を掴みましょう。美味しいところはすべてタイトルの四角で囲った中に入れこむのが成功の秘訣です。