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メディアリレーションズ大特集

広報を信じる記者を裏切れない、その気持ちが原点

岩田和子(小林製薬 広報部課長)

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小林製薬 広報部 課長 岩田和子氏(いわた・かずこ)
1989年小林製薬入社。営業を経て98年に上場に向け新設された広報に異動。2007年東京での広報拠点開設準備のため、単独着任。11年人事を経て、13年4月より本社広報にてCSR・ブランド推進を担当。

先に記者が信じてくれた

広報は、情報の営業部門だと考えています。うまく売り込むためには、記者にたくさん会い、そのニーズを聞き出すことが基本です。当社の広報部では、「〇〇新聞の××さんの担当はあなた」と決め、毎月話すネタや紹介したいニュースを一覧表にして、訪問できたかどうかをチェックしています。メールや電話など、情報を伝達するための便利なツールは数多くありますが、基本はやはりフェイス・トゥ・フェイスだと考えています。電話で相づちを打っていても、実際には全く主旨の違う記事が上がってきてしまうこともありますから。

また、基本中の基本ですが、とにかく相手のフィールドを知り尽くすことが大切です。読売新聞の経済部から取材を受けるのに、経済面ではないとはいえ「編集手帳」というコーナーを知らない、読んでいないというのはあり得ません。自社の情報ばかりを知ってください、書いてくださいと言うのではなく、記者個人の近々の記事も知っておくべきです。記事になった後は、トップインタビューならば広報だけでなくトップの感想も送るようにしています。記者の方に礼を尽くさなければという気持ちが生まれたのは、広報就任直後の驚きがきっかけです。記者は、私たち広報が言うことをこんなにも信じてくださるんだ、ということに衝撃を受けたのです。情報ソースとして信用してくださる記者の方を裏切ることはできません。スピードを重視して、ついつい「大体こんなことです」と誤解が生じるような情報を出すのは、広報として失格。記者は正確な情報を出すのが使命だからです。

情報を介した仕事のパートナーである以上、誤解を招かないよう考慮して情報を渡すことも重要です。広報は、社長や役員の話など会社を代表してメディアに伝える役割を持ちますが、時に勘違いして自分自身の意見を言い過ぎてしまうこともあります。でも、広報の役割は「代弁」であり、間に入って分かりやすく咀嚼して話すこととだと思います。

クレームの重み知る

当初は、宣伝と広報の違いも分かりませんでした。宣伝はクリエイターとともに作品をつくり出すのに対し、広報は素材をお渡しして後は記者にお任せ。クリエイティブな仕事ではないとさえ思っていました。実際には、そんなことはありませんよね。広報は記者に「素材はこんな風に調理したら美味しくなりますよ」とご提案しなければならない、極めてクリエイティブな仕事です。

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