宣伝会議は、2019年11月12日、13日にANAインターコンチネンタルホテル東京にて「宣伝会議サミット」を開催。「令和時代のアドエクスペリエンス」と題して、開催された本サミットでは、カスタマーエクスペリエンスの質を向上するカギとなる、広告を始めとしたマーケティング・コミュニケーションの今日的な進化のあり方を考える各種セッションを展開した。今号では広告・メディアビジネスの未来展望に関するマーケティング実務家による対談、講演、新たなマーケティング手法のプレゼンテーションについて、その一部を紹介する。
データ・ドリブンで広告宣伝業務を改革するダイキン工業の取り組み
広告出稿量、その効果、費用をリアルタイムで測定することができるデジタル広告。測定値から効果があった広告素材を抽出し、PDCAを回してより効果をあげる広告へと精度を上げることができる。
一方テレビCMは、関東・関西・中京以外はいつ、どのくらい放送されたのか分からない状態が続いてきた。そこに問題意識を持ったPTPは、過去5年分の国内のすべてのエリアで放送されたテレビCMをデータベース化した「Madison」を2018年4月から提供している。同社CROの有吉昌康氏は、「『Madison』でテレビもデジタルにひけを取らない精緻な効果測定ができるようになった」と胸を張る。
ダイキン工業は、このMadisonを導入して宣伝業務の改革に取り組んでいる。Madison導入前は、広告会社から提供される競合の出稿状況を事後的に見て、勘や経験など抽象的な材料に基づき戦略を立てていた。「同じやり方を20年前からずっと続けていた」と広告宣伝グループ長の片山義丈氏は振り返る。空調機器は夏と冬に向けて広告を打つため、準備を始めるのは翌年の同時期。毎回、前回の反省点を思い出すところから始めていて効率が悪かった。
導入後は、競合の動きをリアルタイムで捉え、予想と違う動きが出てきた時に対策を考え、キャンペーン終了直後に総括ができるようになった。「キャンペーン中に競合の動きを見て戦略を決めれば判断の確度が上がる。ライブな議論により間違いなく組織の意識も変わる」と片山氏。
さらに嬉しい副産物も。「Madisonの操作・活用は難しくなく、"あつい"うちに議論できるので、特に若手のスキルアップにつながっている」と片山氏は手応えを語った。
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インフルエンサーマーケティング成功の鍵はインフルエンサーのインサイト
インフルエンサーマーケティングに特化したエージェンシーのBitStarは、インフルエンサーのインサイトを捉えたマーケティング手法に加え、同社開発のインフルエンサーのデータ分析ツール「インフルエンサー・パワー・ランキング(IPR)」と、企業のYouTubeチャンネルの制作のポイントについて詳説した。
同社執行役員で、広告・プロダクションユニットを管掌する矢澤孝明氏は、「インフルエンサーが関係するマーケティング領域の市場規模は年平均20%増で拡大する成長市場であり、2019年には267億円に上ると試算される」と説明。また、インフルエンサーの影響力を示すものとして、業界自体にスポットを当てた専門雑誌が創刊されたりするなどの現象も起きているという。
このように絶大な影響力を持つインフルエンサーを起用したマーケティングを行う際には、インフルエンサーのインサイトを掴むことが肝だと指摘する矢澤氏。「彼らの趣味、好き嫌い、なにを思って活動しているかなどを十分理解した上で、ケースごとに適当なインフルエンサーを選定し、企画に役立てると良い」と述べる。
続いて同社執行役員でメディア制作に携わる泊大輔氏が登壇。YouTubeチャンネルを運用する上で意識すべきポイントを紹介。「コンテンツの共有のし易さ」「インタラクティビティ」「テーマの一貫性」「ターゲットを絞るべし」などが挙げられた。
BitStarは、企業のYouTube番組の制作支援に特化したクリエティブユニット「BitStar Studio」を持つ。また、自社でもYouTubeチャンネルを開設しており、その再生回数は現在、2億回を超えている。
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