宣伝会議は、2019年11月12日、13日にANAインターコンチネンタルホテル東京にて「宣伝会議サミット」を開催。「令和時代のアドエクスペリエンス」と題して、開催された本サミットでは、カスタマーエクスペリエンスの質を向上するカギとなる、広告を始めとしたマーケティング・コミュニケーションの今日的な進化のあり方を考える各種セッションを展開した。今号では広告・メディアビジネスの未来展望に関するマーケティング実務家による対談、講演、新たなマーケティング手法のプレゼンテーションについて、その一部を紹介する。
SATORIで実現する匿名ナーチャリング(実名化)のメソッド
マーケティングオートメーションツール「SATORI」の開発・販売を手掛けるSATORI。同社の高橋美絵氏は、多くのマーケターが見逃してしまっている「匿名顧客」の重要性について解説した。
同氏によると、自社のWebサイト訪問者のうち、企業がメールアドレスなどを認知している「実名顧客」はわずか3%程度にとどまり、残り97%は匿名だという。しかし、自社サイトを訪れたのは紛れもない事実。この97%の集団を匿名の見込み顧客=「匿名リード」と捉え、それをいかにして取り込むかが重要だと語った。
続いてオーリーズの藤井氏が、匿名リードの獲得(実名化)を目的に行った「SATORI」によるマーケティング「匿名ナーチャリング(育成)」の方法などについて説明した。
藤井氏によると、匿名リードのファネルは上から「そのうち客」「もうすぐ客」「いますぐ客」の3つのセグメントに分けられる。そのうち、最も実名化に導きやすいのが「いますぐ客」だろう。しかし、すべて匿名のためどのユーザーが「いますぐ客」かが分からない。そこで、「SATORI」のポップアップ機能などを活用する。
ポップアップとは、ユーザーが自社のWebサイトにアクセスしてきた場合、画面上にメッセージウインドウを表示させる機能のことだ。これにより匿名でも「いますぐ客」を識別、彼らにダイレクトにリーチすることができる。
また、オンライン上で実名が判明したユーザーに対し、オフラインで商談を持ちかけることも多い。その際のデータ連携も「SATORI」で可能だという。「どの広告経由で流入したのか、Web上のユーザー行動を一気通貫で把握できるので、まだまだ幅広い施策が実行可能だ」と語った。

SATORI
マーケティング営業部 部長
兼カスタマーサクセスグループ グループ長
高橋美絵氏

オーリーズ
マネジャー
藤井貴志氏

お問い合わせ
SATORI株式会社
TEL:0120-993-392
E-MAIL:info@satori.team
URL:https://satori.marketing/
2019年はチャットコマース元年!キレイモが実践する、OMO時代の新たな顧客体験
チャットコマースとは、SNS内でチャットをしながら買い物をする購買体験だ。2016年に米・Facebook社がMessengerのAPIをオープン化したことで世界中の企業が参入し、「ボットラッシュ」と呼ばれる盛り上がりを見せている。日本でもキャッシュレス決済などと並ぶ流行語として注目され、各種商品・サービスへの導入が進む。
企業のチャットコマースの導入支援を行うZealsの遠藤竜太氏は、「中国では企業の販売チャネルの半数をチャットコマースが占める例もあり、チャットコマースの一般化とその浸透の先にはデジタルとリアルを同一の世界として捉える「Online Merges with Offline(OMO)」が主流になるとも予測する。
チャットコマースとOMO施策の導入事例として、脱毛サロン「キレイモ」などの運営を行うヴィエリスの角田理穂氏が登壇。
Zealsのサポートにより、キレイモもチャットコマースを導入。体験脱毛の来店予約に関して、カウンセリングから日程選択、決済まですべてをチャットで完結できるようになった。その結果、時間に余裕のできた従業員による来店後の対面接客が丁寧にできるようになったという。
また、チャットでのヒアリングデータを店舗CRMと連携させ、スタッフと共有し、各顧客に応じた接客も実現。結果として来店率40%、契約率15%の改善に成功した。角田氏は、「チャットコマースとOMOへのチャレンジが成果につながった。驚いたのは、自社の工数なく導入が実現できたことだ」と話した。
遠藤氏は「チャットコマース導入で人は接客サービスの向上に時間を割くことができる。この流れで引き続き日本の産業発展に貢献していきたい」とまとめた。

Zeals
取締役兼COO
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ヴィエリス
広告部 マネージャー
角田理穂氏

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