宣伝会議は、2019年11月12日、13日にANAインターコンチネンタルホテル東京にて「宣伝会議サミット」を開催。「令和時代のアドエクスペリエンス」と題して、開催された本サミットでは、カスタマーエクスペリエンスの質を向上するカギとなる、広告を始めとしたマーケティング・コミュニケーションの今日的な進化のあり方を考える各種セッションを展開した。今号では広告・メディアビジネスの未来展望に関するマーケティング実務家による対談、講演、新たなマーケティング手法のプレゼンテーションについて、その一部を紹介する。
企業のオウンドメディアブームが再燃 月間50万PV達成 コメ兵「KÓMERU」の運営術
企業のオウンドメディア導入ブームが再燃している。登壇したスマートメディアの成井五久実氏は、「広告は生活者との一過性の接点にしかならないが、オウンドメディアは継続的にコンテンツを配信するため、自然とPVが伸びてファンも増えていく」と指摘。同社がサポートし、開設1年で月間約50万PVを達成したコメ兵のオウンドメディア「KÓMERU」を例にオウンドメディアの運用のポイントについて解説した。
コメ兵の藤原義昭氏は、「企業のオウンドメディアが失敗する要因は3つある。それは①ターゲットと目的がはっきりしない②集客ができない③自由度がない、だ」と喝破する。
その見解に基づき、KÓMERUでは以下を意識したという。①若い女性にターゲットを絞る②SNSで「見られる」ための集客導線の設計(例えば、コンテンツを第三者メディアに提供してPVを獲得など)③スマートメディアはコメ兵の倫理観などを共有し、その枠組みの中で自由なコンテンツ制作を行っている、だ。
成井氏は、「月間50万PV達成の鍵はSEO戦略をしっかり設計したことだ」と話す。また、Komeru編集長の品原由衣氏は、コメ兵の既存顧客の検索行動を逆算して、興味のありそうなコンテンツをそろえるなど、SEO戦略の具体的な手法を紹介。「2年目は月間100万PVを達成できそうだ」と自信を見せる。藤原氏は「今後も費用対効果さえ合えば、ターゲットごとにオウンドメディアを立ち上げたい」と展望を語った。
最後に成井氏は、「オウンドメディアを自社内だけで運営しようとすると、どうしても宣伝に偏りが生じてしまいがち。良いパートナーを見つけ、自分たちが握る部分と相手に自由にさせる部分を共有し、"ワンチーム"になって取り組むことが成功の秘訣だ」と述べた。
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タレントより自由度が高くフレキシブルな「キャラクターマーケティング」
ディー・エル・イーは、漫画などのキャラクターを活用したソリューションを提供する企業だ。同社が保有する『秘密結社鷹の爪』のキャラクターで戦闘主任の吉田"ジャスティス"カツヲ氏は、「キャラクターは病気もしないし減量も増量も自由自在。老人や女子高生に変身することもできる」と、キャラクターの利点を説明する。
取締役COOの高倉喜仁氏も「キャラクターは分かりにくいことを分かりやすく、言いにくいことを言いやすくする」と話し、説明が難しい金融商品を分かりやすく解説した野村證券のキャンペーン「NISAの村」や、上から目線に捉えられがちな啓発を、キャラクターの起用で見る人に共感を呼んだJR西日本の乗車マナーのキャンペーンを例に挙げた。
同社はアニメより作画枚数の少ないフラッシュアニメという手法を使用。社内でワンストップでクリエイティブを制作しており、「スピードとフレキシビリティには定評がある」と高倉氏。
これまで『金田一少年』や『島耕作』など、各種原作のパロディ作品や企業・自治体のオリジナルキャラクターのプロデュースの実績もあるという。
最近では、SNS発の漫画『耐え子の日常』の主人公「耐え子」など〝ソーシャルキャラクター”の活用も増えている。「漫画のキャラクターは、PRでもコンテンツとして興味をもたれるケースが多く、かなり反応が良い」。耐え子のTwitter上でのPR投稿は、当時の7万フォロワーに対し、リツイート約3300件で、約120万インプレッションを獲得した。最後にCCOのFROGMAN氏が登場し、「今後はVRやARなどとキャラクターを結びつけた新しい取り組みにも挑戦していきたい」と述べた。
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