WebメディアやSNSなどのデジタルメディアをマーケティングにいかに活用するか注力する企業も増えている中、膨大なデータ分析に頭を悩ませる担当者も多い。宣伝会議では、9月20日に企業のデジタルマーケティングや、ブランドのデジタルセクションの担当者に向けセミナーを開催。先進的な企業の事例や解決策を紹介した。
第1部では、三井住友カード 統合マーケティング部長の佐々木丈也氏が登壇。佐々木氏は、「顧客の体験価値を上げることが、結果的に増収にもつながる。そのためUI・UX改善などの"対応力"、潜在ニーズを踏まえた"理解力"、最適なタイミング・内容・手段による"伝達力"の向上に注力をしている。『意思決定がデータドリブンでできる』というマインドも社内で醸成されつつある」と説明した。
第2部では、ドーモ マーケティング本部長の斉藤梨沙氏が登壇。同社の提供するビジネス最適化プラットフォーム「Domo」が注目される理由について「マーケティングツールを含むあらゆるシステムのデータを集約し可視化することで迅速な意思決定とアクションをビジネスユーザー主導で推進できることが強み」と説明した。
さらに実際に「Domo」を活用している日本航空 コーポレートブランド推進部Webコミュニケーショングループ長の山名敏雄氏が登壇。山名氏は「これまで個々の施策ごとにKPIはあったが、どれが本当に効果があるか見えにくかった。データを統合・可視化する必要性を強く感じていた」と同社の課題を振り返る。
「Domo」を導入したのも、同社の情報発信に対する反応や影響を可視化する狙いだ。「Domoの導入により、当社の発信にどのくらい反響があったのか媒体問わず、施策ごとに評価が可能になった。指標やスコアを実態に合わせて柔軟に変更できるのもBIツールの良さ。さらに、各部門とデータを共有できるため、他部門で実施したイベントや施策に対する反響も確認できる。会社全体でPDCAサイクルの高速化が可能になった」と同氏は話す。
第3部では、佐々木氏と山名氏に加え、資生堂ジャパン EC事業推進部長の徳丸健太郎氏も登壇し、パネルディスカッションを開催した。デジタル施策が進化する中で、顧客体験は企業視点ではなく、完全に生活者起点になりつつある。データを活用する目的について、徳丸氏は「最終的にマーケティング精度を高めることが目標。顧客の反応が見える化されることは、本質的な顧客理解につながるため、データの蓄積は企業として価値が高い」と話す。
エンゲージメントやブランディングにつながる中長期的な取り組みには、効果を可視化することが不可欠である。山名氏は「自分たちの本業以外で他部門をどれだけサポートできるかで、社内の立ち位置も変わってくる。そういった取り組みを地道に続けていくと、社内での我々のチームに対する評価も上がり、理解者が徐々に増えていったというのが実感」とポイントを説明した。
佐々木氏は、データを見ることにより日々の仕事やアクションで変化したことについて言及。「現場と一緒に顧客の感情や行動の変化を追う内に、各部門でPDCAを正しく迅速に回すことができるようになり、意思決定が確実に早くなっている」と話した。
最後に山名氏は、「施策の評価や振り返りがきちんとデータでできるようになったことが一番大きな収穫。日々続けるほど、マーケティング活動の精度が高まっていく実感がある」と振り返り、締めくくった。
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