消費者の健康意識の高まりを受け、衣食住あらゆるカテゴリにおいて、健康訴求を行う商品は増える一方、競合商品との差別化が難しいのも現状だ。こうした課題を解決する手段として注目されるのが、エムスリーが提供する「AskDoctors評価サービス」。9月21日に開催されたセミナーではヘルスケア市場のプロモーション最前線に迫った。
「AskDoctors」の認証マークが店頭での訴求力を高める
エムスリーは医療従事者を対象とした医療ポータルサイト「m3.com」の運営を通じ、25万人以上の医師会員を保有している。「AskDoctors評価サービス」は、この医師のネットワークを基盤に、依頼のあった企業の商品に対して医師が客観的な評価を行うもので、一定基準を満たした商品には認証が与えられる。
第1部は「ヤシノミ洗剤」で有名なサラヤ 取締役 コミュニケーション本部本部長の代島裕世氏が登壇。台所洗剤で信頼を得てきたヤシノミブランドがランドリー(洗濯洗剤と柔軟剤)市場に打って出た際、「AskDoctors評価サービス」を活用した事例を紹介した。
「台所洗剤のブランド力もあって、発売前からバイヤーの期待が高かったにも関わらず、発売直後の売り上げは振るわず。『ヤシノミ洗剤』と同様に環境配慮を前面に打ち出した販促活動が、消費者の理解を得られなかったことに原因があると判断した。敏感肌の人が安心して使えるランドリー商品であるという商品特長の訴求に急きょ切り替えたところ、大きく売り上げを伸ばすことができた」と代島氏は話す。
販促戦略を切り替える際に「AskDoctors評価サービス」を活用したところ、「医師のお墨付きには信頼があり、店頭での訴求力が大きく高まった」と、医師に評価してもらう効果を語った。
第2部はエムスリー コンシューママーケティンググループ マーケティングプロデューサーの津田宗利氏が登壇。「AskDoctors評価サービス」の最新活用事例を基に、ヘルスケア市場における課題解決法のプレゼンを行った。
現在、同社のサービスは食品では、日本水産の「おさかなのソーセージ」、日用品では、アース製薬の除菌スプレー「らくハピ アルコール除菌EX」など、さまざまなブランドで活用されている。「調査の結果、9割近くの消費者が『普段の買い物から健康を意識して購買している』とデータが出ており、商品の健康特性は他社製品との差別化理由になり得る。広告表現上の制限が多く、発信が難しいヘルスケア分野で『300人中86%の医師が勧めたいと答えた』といったキャッチーなコピーを使える点は強い」と説明した。
第3部のパネルディスカッションでは、代島氏、津田氏に加えてエレコム商品開発部コンダクションデバイス課I/Oデバイスチーム チームリーダーの清水光則氏が登壇。代島氏と共に、サービス導入時・導入後のインパクトについて話し合った。
エレコムでは、マウスで初の認定商品となったことを販促活動に活用。「競合他社もマウスの握り心地を訴求ポイントにしているが、医師の推奨まで得られたことは、店頭で大きな差別化ポイントになった」と清水氏。
2名からは自社の経験から「店頭での訴求力を高める上で、大きな効果を実感した。新商品発売時に実施するのはもちろん、既存商品のテコ入れとして、新しく健康軸の訴求を活用するという方法も考えられる」と、活用可能性について意見が交わされた。
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エムスリー株式会社
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