複数企業間のアライアンス、データ連携の動きは確かに見られるようになってきましたが、それは必ずしも、すべての企業にとっての"正解"ではないようです。独自のポイントプログラムを提供し、独自の顧客基盤を築き、独自の経済圏の構築を目指す企業の動きもまた相次いでいます。スターバックスの取り組みと、その背景にある考え方を聞きました。
スターバックスは9月、グローバルで展開するロイヤリティプログラム「STARBUCKS REWARDS(スターバックス リワード)」(以下、リワード)を日本でもスタートさせた。
プリペイドカード「スターバックス カード」をWeb登録またはモバイルアプリ登録することで参加でき、「新商品の先行購入」「コーヒーセミナーへの先行予約」といったさまざまな会員特典を受けられる。また、Web登録済みのスターバックスカードで店舗での支払いを行うたびに付与される「Star(スター)」を集めると、商品と交換できる「Reward eTicket」が発行される。
デジタル戦略本部の濵野努氏は「eTicketを使って普段とは違う、スターバックスの楽しみ方を体験していただきたいと考えている。期間限定のドリンクやコーヒーに合わせたフードメニュー、お勧めのカスタマイズなど、普段は新しいメニューに挑戦する機会がなかなかない方にも、eTicketで気軽に新しい体験を楽しんでいただけるきっかけになれば」と話す。
同社ではリワードを、いわゆるポイントプログラムとは異なるサービスと位置づけている。「会員限定イベントへの参加や、当社のCSR活動への参加など、店舗でドリンクを楽しむ以上の幅広い体験の機会を提供することを通じて、お客さまとのつながりを強化し、スターバックスのファンになっていただきたいと考えている。『このお店で買い物をするとお得』という価値でお客さまとつながるポイントプログラムとは一線を画す、『体験を広げるプラットフォーム』ととらえている」。
リワードは、同社のさまざまなデジタル施策をつなぐハブの役割も果たす ...