「日本のマーケターの集合知をつくる」ことを目的に設立された「JAPAN CMO CLUB」。すでに参加マーケターも70名を超えている。定期的に開催している異業種のマーケターが集まる研究会の場で見えてきた、これからの日本のマーケティングが進むべき道とは。

(写真左から)
・ナリス化粧品 経営企画室 マーケティング部 部長付部長 広報課兼任 横谷泰美氏
・公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ
常務理事 事務局長 葦原一正氏
・JAPAN CMO CLUB 加藤希尊氏
(セールスフォース・ドットコム マーケティング・ディレクター)
・ベイクルーズ 上席取締役 EC統括/事業支援統括 村田昭彦氏
・パルコ 執行役 グループICT戦略室担当 林 直孝氏
顧客接点を奪い合う「スマート化」がもたらすこと
9月14日に開催された「JAPAN CMO CLUB」の18回目の研究会には、パルコ、ベイクルーズ、ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグB.LEAGUE、ナリス化粧品の4社が参加した。「JAPAN CMO CLUB」は2014年11月に設立され、間もなく3年目を迎える。CLUBのCMOである加藤希尊氏は、これまでの活動を振り返り「異業種企業であってもディスカッションを通じて、互いのブランドや顧客に対する理解を深め、コラボレーション企画が多くCLUBから生まれている」と話した。
研究会では互いのマーケティング環境の理解を深めるため、各社のカスタマージャーニーを持ち寄る他、これまでの研究会で見えてきた多くのマーケターが抱える共通課題である「人口減少」「コモディティ化」「スマート化」のそれぞれについて意見を発表している。
ベイクルーズの村田昭彦氏は「消費者がいつでも、どこでも、好きな時につながることができる『スマート化」した社会において、企業と消費者の接点は劇的に増大した一方、顧客とつながる時間、接点の激しい奪い合いが起きている。情報接点が多様化しても、一人ひとりのお客さまに一貫性のあるコミュニケーションをしていかなければならない。総合コミュニケーションが鍵となる。実現できる仕組みや、専門性のある人材獲得が課題」だと話した。
それを受け、ジャパン・プロフェッショナル・バスケットリーグの葦原一正氏は、「米国のNBAはデータ収集と分析がうまいが、キーワードは『ハイブリット』ではないか」と自身の考えを提示した。
パルコの林 直孝氏も「商品を購入するだけの機能であれば、便利なECプラットフォームの方がお客さまのメリットが多く、リアル店舗は負けてしまう。デジタルだけ、リアル店舗だけではなく、アナログとデジタル、人とAIやロボット、バーチャルリアリティとIoT、役割分担をして組み合わせる必要がある。葦原さんのハイブリットという言葉が腑に落ちた」と話した。
ナリス化粧品の横谷泰美氏は「今までは商品やサービスをつくるなかで会社の課題解決をしていたが、今後は会社の持つ財産を生かして、どう課題解決をしていくかまで考えなければいけないと思った」と気づきを話した。
研究会を終え、加藤氏は「デジタルプラットフォームはマーケターにとって欠かせない状況になってきている。『ハイブリッド』、『横断』が今回のディスカッションのテーマになった。マーケター同士が組み合わさると業界を超えたハイブリッドな組織になると思う」と話した。
「JAPAN CMO CLUB」の活動報告は、随時、宣伝会議運営のWebメディア「アドタイ」にてレポート中です。
http://www.advertimes.com/special/cmoclub/
(本組織はセールスフォース・ドットコムと宣伝会議が共同で設立したものです)