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森本千絵さん、今尾朝子さんと考える「もっとママクリエイターが活躍するには、どうしたらいい?」

AMD(クリエイティブ・ワークスタイル・ハック・プロジェクト)

ブランディング・エージェンシーのAMD(エーエムディ)と宣伝会議マーケティング研究室が共同で行う「クリエイティブ・ワークスタイル・ハック・プロジェクト」。4回目の研究会では子育てをしながらクリエイターとして活躍を続ける今尾 朝子氏、森本 千絵氏と一緒に「ママクリエイターが活躍するには?」というテーマについて考えます(本文中・敬称略)。

編集協力:AMD株式会社

(右)光文社 月刊『VERY』編集長 兼 ブランド事業室長 今尾 朝子氏
(中)goenº 主宰 コミュニケーションプランナー アートディレクター 森本 千絵氏
(左)AMD 代表取締役CEO 千布 真也氏

子育てと仕事の相乗効果 判断するスピードが劇的に上がった

千布:今年の6月に、クリエイティブプロダクション「mom.ent(モーメント)」を立ち上げました。「ママクリエイターの価値を最大限に引き上げる」ことを目指し、「全員正社員雇用」「徹底したチーム制」を提言し、時間短縮勤務のほか、子ども・子育て支援制度、病児保育やベビーシッターとの提携、在宅ワークの導入など働く女性のサポート体制を整えている最中です。

今日は育児をしながら一人のクリエイターとしても活躍を続ける、お二人にママクリエイターがもっと活躍するためにはどうしたらよいのか、お考えを伺いたいと思っています。

森本:私は保育園のお迎えがあるので、5時には帰らないといけないのですが働く時間が短くなっても、まったく問題ないです。毎日が大騒ぎの子育てで鍛えられたのか、出産してから何でも短時間で判断が下せるようになったからじゃないかな、と思っています。もし、そこでの判断が間違っていたら、次に判断するときに軌道修正すればいい。

クライアントさんから修正の指示が入っても、落ち込んでいる暇がないので、すぐに対応する。子育て中だからと配慮していただいて、子どもに関わるお仕事の相談が多いのですが、今こそ広告の仕事を依頼してもらえたら、短時間で成果を出せると思います(笑)。考える脳と心は24時間、常に働いていますが、長くオフィスにいればいいってものではないですよね。

千布:子育てがクリエイターとしての仕事にもプラスに働いているんですね。

森本:判断が早くなって男っぽくなったところがある反面、課題に対する答の出し方は母親的になりました。子どもって一人ひとり全然違うから、子育てに正解なんてない。その子の一番、良いところを見つけて、輝かせてあげるしかないですよね。

前は、「こんなデザインをしたら素敵だな」というゴールから考えていたけれど、今は企業や商品の中に眠っている、魅力を見つけることが楽しくなったと言うか。企業や商品と向き合う時にも、責任を持って育てようとする意識が強くなりました。

千布:子育てと広告やブランディングの仕事に共通点があるんですね。

有機的なチームで動いて互いにサポートしあう

今尾:私も子育てが、仕事に生きているなと思うのと、ますます仕事が楽しいです。一方で時間が足りない⋯という悩みも。

クリエイティブな仕事をしてきた人は、仕事にのめり込んで、多くの時間を費やしていたタイプの人も多いと思うので、ママになると圧倒的に時間が足りなくなってしまうことがあるのではないでしょうか。でも、いくら効率化の努力をしたところで、働く時間が半分になってしまったとしたら、同じ量の仕事を回すには一人では無理がある。一人で抱え込まずに、できないことはできないと言う勇気も必要かなと思います。

千布:子どもの病気とか、子育て中は突発的な事態も起きますよね。そこで「mom.ent」でも、完全チーム制を採っています。

今尾:仕事と家庭の両方の側でどんなチームをつくるのかは重要ですよね。家族だけでなくママ友やアウトソーシング、信頼できる社会とのチームづくりとか。そこがいま一番必要だなと、感じています。

森本:いまgoenºには8人のスタッフがいますが組織体制は常に変えています。子どもの成長によって、私が動ける時間も変わってくるので、頻繁にスタッフとコミュニケーションをとって、その時々に抱えている仕事の状況も見ながら、臨機応変に体制を変えるようになりました。

千布:「mom.ent」は全員正社員雇用なのですが今、悩んでいるのが本当にママクリエイターたちの多くがそういう働き方を望んでいるのかということなんです。

今尾:『VERY』の読者の方たちに話を聞いていると、会社員として今は細くても長く働きたいという風に感じる方も多くなってきていると思います。それは働くということが一時のことではないという考えが、一般化してきているからではないか、と。

森本:私は、出産直後は自宅で仕事をしていたのですが、そうすると両方気になって、両方とも集中できなくなる。思い切ってオフィスに来るようになって、頭の切り替えがうまくできるようになりました。

千布:正社員かフリーランスか、起業するかに関係なく、子育てから離れる時間を持つことが重要なのかもしれませんね。

介護にも向き合う世代 一人ひとりに合わせた働き方を

千布:私たちAMDは、企業やサービスの広告クリエーションや、ブランドコンサルティングをする会社ですが、それって突き詰めれば課題解決をするということ。そこで、この広告の課題解決のロジックを社会課題の解決にも生かすような取り組みをしたいと考えてきました。「mom.ent」を立ち上げたのもママクリエイターの活躍が、長時間労働になりがちな広告業界の課題解決につながるのではないか、と考えてのことでした。

森本:長時間労働になりがちな、広告業界の働き方が問題になってきたタイミングで子育ても仕事も両立させたい女性たちが、中心世代になってきた。育児と仕事を中心に今、日本が大きく動こうとしていますが、私たちの世代はさらに親の介護も始まっていきますよね。未来に向かっていく育児は仕事のエネルギーになるけれど、介護は自分にとっても新しい体験なので今後、自分自身の仕事に影響していくのかは未知数です。

今尾:私も、ママだけが守られる環境はちょっと変だなと思っています。育児をする人と同じように、介護をする人も安心して働ける環境が必要ですよね。

森本:子育てをしていると、一人ひとりが違う個性を持った人なのだということがすごくよく分かる。その子どもが大人になって社会をつくっているわけだから、そもそもみんなが同じように働こうとするのは無理があります。ママだけじゃなくって、それぞれの環境に合わせた働き方をつくっていくことが必要ですよね。一人ひとりの命に寄り添うというか。

今尾:同じ働くママだって環境や子どもの個性によって、子育てと仕事のバランスは変わってくる。画一的ではなく、一人ひとりとパーソナルな契約をしていくのがきっと今後の理想の形だろうなと思います。

「クリエイティブ・ワークスタイル・ハック・プロジェクト」とは?

2016年9月にブランディング・エージェンシーのAMDと、宣伝会議のマーケティング研究室が共同で立ち上げた研究会。約1年をかけて「今、求められるクリエイティブチームのありかた」をテーマに、様々な立場の広告主企業の担当者などと議論を行い、そこから得られた知見を発信していきます。

光文社
月刊『VERY』編集長 兼 ブランド事業室長
今尾 朝子氏

1998年光文社入社。『VERY』編集部、『STORY』編集部を経て、2007年より現職。2012年より『VERY』ブランド事業室長を兼任。1児の母。

goenº
主宰 コミュニケーションプランナー アートディレクター
森本 千絵氏

1999年博報堂入社。2007年独立して「goenº(ゴエン)」を設立。企業広告はもとより、松任谷由実らミュージシャンのアートワーク、動物園のディレクションや保育園の内装などを手がける。1児の母。

AMD
代表取締役CEO
千布 真也氏

2006年エーミライトデザイン(現AMD)を設立。ブランディングを軸としたプロモーション提案、ソーシャルデザインなどを行う。2017年6月にママクリエイターの価値を最大限に引き上げることを掲げ、クリエイティブプロダクション「mom.ent(モーメント)」を設立。

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