ブランド力の向上に際して重要なのが、生活者にとっての「体験価値」の向上だ。生活者との接点となるWebメディアを通じて体験価値を向上させるために、宣伝会議では9月27日、パブリッシャーやマーケターへ向けたセミナーを開催。ユーザーの関心度が高いコンテンツが、信頼性の高い情報を提供するパブリッシャーサイトを通じて生活者とブランドの関係性構築にどのように貢献するのかが解説された。
“自分ゴト”化から興味・関心を喚起させる テクノロジーとコンテンツが鍵となる
第1部ではインフォバーン 執行役員の佐藤秀樹氏が登壇。コンテンツマーケティングが各企業から注目を集めている理由について解説した。佐藤氏は、「企業からの一方的な発信となる広告の効果は低下してきている。そこで企業は生活者に受け入れられる適切なメッセージを新たに考える必要に迫られ、コンテンツマーケティングに注目が集まり始めた」と説明。
また「コンテンツマーケティングでは、“自分ゴト”化させることが重要」だと話した。「“自分ゴト”化できるコンテンツに接触することで生活者自身が気づいていなかった関心・興味を掘り起こすことができ、ビヘイビアチェンジ(態度変容)が期待できる。」と説明した。
第2部の前半では、レコメンドプラットフォームを提供するタブーラ・ジャパンの馬嶋 慶氏が登壇。コンテンツマーケティングの新たな流れとして注目を集める「コンテンツレコメンデーション」の解説を行った。
現在、FacebookやTwitter、LINEなどのSNS内に特化した広告において、記事コンテンツの形をとったフィード型のレコメンデーションが主流になりつつあるという。「バナー広告に比べ、レコメンデーションのコンテンツはクリック率が高い。その理由は、ユーザーが従来の広告に嫌気が差しているのと同時に、閲覧中は動画コンテンツや文字データをより消費する心理状態にあるからだ」と馬嶋氏は説明する。
同社は企業規模に関わらず、同じツールを提供しているが、各クライアントも、生活者にとってより関連性の高いコンテンツを見せることでエンゲージメントを上げ、マネタイズ向上につなげている。
第2部の後半ではパブリッシャーがより質の高いコンテンツの製作、流通も提供しているという時流があることから、産経デジタルの石川晃浩氏とレスポンス広告を手掛けるワンスター メディア局局長の増井秀人氏を交えたパネルディスカッションが行われた。
全国紙の中でも、記事の無料提供という独自の路線へと舵を切った産経ニュース。テストを重ねた結果、レコメンドウィジェット型としてタブーラを採用した理由を、石川氏は次のように説明した。「記事を無料提供する上での大きな課題は、ユーザーに読まれただけで終わってしまうという点だ。広告収益を増やし、サイト内の記事閲覧の回遊性を増やしてメディアとしてのパワーを高める必要性があった。タブーラを導入したことで、今まで編集部員が行っていた関連ニュースの選定作業の軽減にもつながった」。
また、エディトリアル面におけるイノベーションも実現。たとえば、ニュース中面に配置した記事のクリック率が高いことを検知すると、その記事をユーザーの目につきやすい位置に自動的に移動させ、サイト全体をアルゴリズムにより最適化できるという。
産経デジタルにも広告配信を行いサポートする増井氏は、提供するレコメンデーションコンテンツの制作ポイントについて「広告する商品に対して顕在化している層にアプローチする、という点を非常に重視している。ユーザーの特性や商品自体の競合優位性を分析した上でフィードコンテンツをつくる。これが当社の強み」と話し締めくくった。
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