去る9月23日、金沢21世紀美術館で「宣伝会議賞」の応募者応援イベントを開催しました。最終審査員を務めるコピーライターの中村 禎さんに、協賛企業賞受賞歴を持つ若手コピーライターの小林 幹さんが課題への取り組み方を聞きました。

フリーエージェント 中村 禎(左)電通西日本 金沢支社 北陸CD部 小林 幹(右)
強いコピーとは、本当のことを言っているコピー
小林:僕は4~5年前まで「宣伝会議賞」に応募し続けていて、協賛企業賞をいただいたこともあります。応募者の皆さんにも参考になりそうなことなので伺いたいのですが、中村さんは、コピーとは何だと思いますか。
中村:「人を動かすきっかけになる言葉」だと思います。新聞広告のキャッチフレーズでもいいし、テレビCMのナレーションでもいいし、Webの中のつぶやきの一言でもいい。それを見た人や聞いた人が何か行動を起こすきっかけになるような言葉のことではないかと。
小林:なるほど。審査員を務められる中村さんから、応募者の皆さんに向けて、コピーを書く際のアドバイスはありますか。
中村:コピーは短いほうがいいんだけど、「五七五」ではダメです。そういうお決まりのパターンが崩れたもののほうが、どこか引っ掛かりがある。不格好でも、字余り、字足らず、舌足らず、何でもかまわないから本当のこと言っているコピーのほうが絶対に強い。
また、そのコピーは「誰が誰に言っているのか」ということを常に意識してほしいですね。自分が企業の人になったつもりで、「世の中の人々に向けて、僕はこういうことを言いたいんだ」というのを強く意識してコピーを書く。個人から個人へのメッセージであると意識して書いたほうが、いいものが書けると思います ...