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ベンチャー乱立時代 一歩抜きん出るためのPR

ラクスルのテレビCM活用「広告はツール、小さく初めて効果次第で継続」

ラクスル

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新事業発表会に報道陣40人

2015年12月3日、ラクスルの本社で「シェアリングエコノミー」に関する新事業発表会が開催された。シェアリングエコノミーとは、ネット上のプラットフォームを介して空間・乗り物・モノ・人・時間・スキルといった遊休資産をシェアする新しい経済の動きのこと。配車アプリの米Uber、民泊をサポートする米Airbnbがサービスの代表格とされており、その多くは対個人の取引だ。

一方、ラクスルはBtoB分野のシェアリングエコノミーに強みを持っており、この日も新たな事業としてネット運送・配送サービス「ハコベル」の概要を発表。既存の主力事業である印刷通販との二本柱で、中小企業や個人事業主のビジネスを強力に支援していく方針を示した。

この発表会の後半ではレンタルスペースや貸し会議室の事業を手掛けるスペースマーケットの重松大輔社長、駐車場予約サービスを提供するakippaの金谷元気社長といったベンチャーの経営者とのトークセッションも展開するなど、他社とともに「シェアリングエコノミー」の取り組みを印象付けている。

当日は約40人の報道陣が集まり、同日放送の『ワールドビジネスサテライト』(テレビ東京)でも発表会の模様やサービスの概要を補足するVTRが紹介された。さらに12月5日からは、福岡エリアで「ハコベル」のテレビCMをスタートさせるなど、同社として肝いりの事業であることがうかがえる。ラクスルのマーケティング部で広報を担当する忽那幸希氏によれば、2016年の広報戦略として最も注力しているのが「BtoBのシェアリングエコノミーといえば、ラクスル」というイメージの定着だ。これまで「500円名刺」「商売革命」「はたらく人のネット印刷」といったキーワードを掲げていたが、2016年は「シェアリングエコノミー」を前面に打ち出す。

「表層的なメッセージやバズワードは時代の流れとともに移り変わるものの、ラクスルのベースにある『仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる。』というコンセプトは不変。中小企業をエンパワーメントする企業として、広報の考え方も本質的に変わらないと考えています」と話す。

小さく始めて効果次第で継続

前述のとおり広報活動に注力する一方で、これまでテレビへの出稿などにも取り組んでいる。ラクスルが初めてテレビCMを投入したのは、2014年7月のこと。「職場劇場・価格」篇など、2篇を制作した。俳優の遠藤憲一と要潤が出演しているもので、メッセージは「名刺100枚500円」「チラシ1枚1.1円~」など、印刷通販の内容が中心だった。

以後もテレビCMは継続して実施している。同社の執行役員でCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)を務めている田部正樹氏を中心に、2015年には2月から「職場劇場」シリーズの続編を、同年6月からはガッツ石松を起用した「ガッツ石松 9軒潰した男」篇など、それぞれ新たなCMをスタートしている。

詳細なマーケティング戦略については「企業秘密」とのことだが、「あくまで広告はツールであり、選択肢のひとつでしかない。スモールテストを繰り返して、効果があれば拡大するというやり方を続けています」と田部氏は説明する。

「印刷通販のラクスル」は卒業

12月5日から福岡でオンエアをスタートさせた最新の「ハコベル」のCMでは …

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