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ベンチャー乱立時代 一歩抜きん出るためのPR

テレビCMで受注件数2倍 Sansan流「強気のPR戦略」とは

Sansan

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クリエイティブファースト

俳優・松重豊さんの決めゼリフ「早く言ってよ~」でおなじみ、名刺管理サービス「Sansan」(東京・渋谷)のテレビCM。2013年8月に第一弾の放映がスタートし、現在はシリーズ3作目がオンエア中だ。近年は未上場ベンチャーへの投資額が増加しているが、Sansanも増資のタイミングでテレビ出稿に踏み切った。一連の取り組みによる成果、そしてSansanの広報活動はどのように変わったのだろうか。

2013年当時、寺田親弘社長やSansanの事業部長とともに、テレビCM導入の社内プロジェクトに参画したのがCFOの田中潤二氏と広報部の磯山江梨氏だ。現在、田中氏は広報部長を兼任している。「ベンチャー企業では成長のエンジンのひとつとして、ウェブ広告の活用やパブリシティ量の確保に取り組むのが一般的。とはいえ、一定の水準を超えると獲得効率は下がる一方。広くビジネス層に認知を拡大するには、思い切った投資が必要なタイミングだと考えました」と田中氏は振り返る。

その中でも、同社が最もこだわり抜いたのは広告表現だった。いわば「クリエイティブファースト」を貫いた理由について、田中氏は「CMを出す時間帯やタイミングなどはのちに調整できるが、クリエイティブは不可逆的なものだから」と言い切る。

寺田社長も自らヒットCMの研究を重ね、広告制作に定評のある数社と接触。最終的にクリエイティブエージェンシーのTUGBOATへ依頼することに決めた。TUGBOATは岡康道氏、麻生哲朗氏ら広告業界では言わずと知れたトップクリエイターらで構成され、数々のヒットCMを手掛けている。

マス経由でも高い獲得効率

テレビは出稿量や表現、メッセージによって成果が大きく左右されるだけでなく、ウェブ広告と異なり成果が予測しづらい。しかもBtoBのベンチャーによるテレビCMは前例が少なく、広告投資が失敗に終わる可能性もあるかもしれない─。そう覚悟しつつも、KPIを「受注の増加」に設定。結果 ...

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