ソーシャルメディアのPR活用は、本場アメリカの事例に学ぶところが多い。日米でブランドコミュニケーションに携わる結城彩子氏は、「ソーシャルメディアが生活者に浸透した結果、そこは“パブリック”と呼べる場となった」と語る。柔軟な姿勢で生活者に向き合う、米国のPR事例を追う。
Twitter経由で捜索願
この原稿を書いている今、私はニューヨークのミッドタウンのあるホテルにいる。
出張でニューヨークを訪れるときには、私の拠点がある南カリフォルニアの空港からjetBlueという新進気鋭の航空会社を利用することにしている。
今回、たまたま本稿でjetBlueをソーシャルメディアの好例として取り上げようと考えていたのだが、その矢先に、同乗したパートナーが機内で運転免許証を落とすという災難にあった。さすがに個人の落とし物とあって、知り合いのソーシャルメディア・マネジャーに頼むのも憚られ、空港やjetBlueに電話やEメールで連絡をとったが、同時にjetBlueのTwitterアカウントにツイートしてみた。
「運転免許証を失くしました。復路の空港で必要なので、機内やゲート周辺を探してもらえないでしょうか?」。
驚くことなかれ、やはり最も早く返事が戻ってきたのはjetBlueのTwitterアカウントからであった。そのやり取りは上のスクリーンショットの通りで、お恥ずかしながらおおっぴらに探し物を手伝ってくれている様子が分かる。最終的に免許証は空港内では見つからなかったが、彼らの迅速な対応には感謝しきりだった。
対応に垣間見える“人間性”
jetBlueのTwitter上でカスタマーサービスにお世話になるのは、実は二度目である。2年ほど前 ...