今や一般的になった企業のTwitterやFacebook運営だが、いまだ模索状態という声も少なくない。「ソーシャルメディアの良い点は、個人アカウントでいろいろと試せること」と語るのは、アジャイルメディア・ネットワークの四家正紀氏。“土地勘”を養って、長期的な効果へつなげよう。
ソーシャルメディアを効果的に使うポイント
1. ソーシャルメディアの役割:傾聴、情報発信無料ツールでの傾聴は必須
2. 各ソーシャルメディアの特徴を整理して把握
3. ブロガーはある意味で“メディア関係者”メディアリレーションズの考え方が応用できる
「広報室ブログ」という実験
筆者が初めてソーシャルメディアを企業広報活動に取り入れたのは、ちょうど10年前の2004年3月、当時勤務していたカレンの『広報室ブログ』だった。
そのころは、企業が公式のコミュニケーションツールとしてブログを活用するという発想はほとんど見られず、一部のIT系企業の社長ブログが公開されていただけだった。そんな中でブログ用のシステムで自社サイトをリニューアルし、サイト内に広報担当者が更新するブログを併設したところ、日経新聞などで取り上げられ、当時大きな話題となった。
この「広報室ブログ」における様々な実験の成果を、業界団体での講演や新聞・雑誌への売り込みなどでPRした結果、味の素や日産自動車のブログ運営支援受託へとつながった。
企業におけるソーシャルメディア活用の初期段階において筆者が行ったことは、広報活動におけるソーシャルメディア活用を実践し、さらにその成果を従来のマスメディア向けのPR活動で拡散させるという「広報企画」だったのである。
その後、mixi・Twitter・Facebook・LINEなど、企業がコミュニケーションチャネルとして活用できるソーシャルメディアは次々と現れ、筆者も公私を通じてかかわり続けてきた。こうした経験からまず思うことは、各企業・広報担当者それぞれのソーシャルメディアに対する認識・姿勢・知識・技術・取り組みのばらつきが、あまりにも大きいということだ。
ソーシャル=「社交」
2004年にスタートを切った「企業におけるソーシャルメディアの取り組み」というマラソン大会は ...