シニアをターゲットにした商品のパッケージや広告は、どのような点に配慮すればいいのだろうか。日清食品が満を持して投入した商品について、工夫のポイントを聞いた。
Case 【日清食品】
食卓のバラエティを豊かに
「お椀」で食べる即席めんを提案
シニア向け強化の背景は高齢者の単身世帯の増加
即席めんを「お椀」で食べてほしいー。日清食品は9月11日、シニア世代をターゲットに、従来の袋麺よりも小容量の「お椀で食べるカップヌードル 3食パック」と「お椀で食べるチキンラーメン 3食パック」を発売した。
同社では昨年、同じくシニア世代をターゲットに"フカヒレの姿煮"や"すっぽん鍋"をイメージした「カップヌードル リッチ」シリーズを発売するなど、シニア市場への取り組みを強化している。今回、「お椀で食べる」シリーズを発売した背景には、国内において65歳以上の高齢者世帯の比率が増え、さらに単身もしくは夫婦2人で暮らす少人数世帯が増加していることがある。
「2020年から2025年にかけて、日本の人口構成比率において50歳以上が半数を超えると言われている。当社としても、シニアへのアプローチは真剣に取り組まなければいけない課題」と、日清食品でチキンラーメンのブランドマネージャーを務める田淵義章氏は話す。
もう1品にちょうどいい小容量タイプを新発売
今回の新商品は、レギュラーサイズのカップヌードルの麺重量65gに対して28g、チキンラーメンは85gに対して30gと、従来の半分以下のサイズにした。また、袋麺は通常は5パックだったが、3パックに減らし、具材を付けた。小容量化は、シニア世代のニーズを汲み取ってのことだ。
「現在のシニアは、若い頃からチキンラーメンやカップヌードルに親しんでいるため、即席めんを食べることに抵抗感はない。しかし調査を進める中で、"1食分が食べ切れない"、"袋麺5食パックでは多い"といった声も出てきた」(田淵氏) ...