インフルエンサーによるライブ配信施策などを提案しながら、徐々に若年層のエンゲージメントを高めている3ミニッツ。テレビ朝日のサッカー日本代表戦のプロモーションを支援した事例を基に、F1層を中心に社会のムーブメントをつくりだす取り組みについて聞きました。
テレビ視聴につなげるデジタル上での継続的な接点づくり
──サッカーのテレビ観戦のプロモーションに、なぜ3ミニッツのデジタル施策を活用したのでしょうか。
山下▶ 今年のW杯アジア最終予選の盛り上がりは、4年前と比べると厳しいスタートでした。この4年でメディアを取り巻く環境が大きく変わっているので純粋に比較はできませんが、若年層、特に若い女性の盛り上がりも欠けるという課題がありました。より多くの人たちにサッカー日本代表戦を見てもらおうと考える中で3ミニッツさんの存在を知りました。F1層の行動を踏まえ、どうしたらサッカー観戦の楽しさ、魅力を伝えられるのか、話を聞く中でご一緒したいと思い、インフルエンサーを活用したプロモーションを提案いただくことにしました。
明石▶ 当社は、インフルエンサーマーケティングや動画コンテンツ制作、自社の女性向けファッション動画マガジン『MINE BY 3M』を活用した広告事業展開、オリジナルブランドの運用などを得意としています。特に、ここ1~2年は“個の力”を活用した「インフルエンサーマーケティング」への需要がクライアント企業から高まっていると感じています。
企画立案時のポイントのひとつは、プロモーション対象と起用インフルエンサーの“マッチング度合い”があります。例えば、サッカーのプロモーションをする際には、「元サッカー部のマネージャー」「Jリーグチームのサポーター」「仕事でJリーグクラブのインタビュアーをしている」など、サッカーもしくはスポーツと親和性があるインフルエンサーを選定しますし、そのために徹底的にリサーチをします。また、訴求内容も起用インフルエンサーによる自然な表現を大切にしています。訴求相手であるフォロワーを一番理解しているのはインフルエンサー本人であり、プロモーション対象物のどの要素を訴求するのかも、起用インフルエンサーの感性や感覚を重要視し、相談しながら決めていきます。
当社の主な役割としては、その際のディレクションや企画の全体設計になります。サッカーのファン層拡大を目指すプロモーション施策を手掛けるのは今回が初めてでしたが、提案に先立ちインフルエンサーやターゲットとなる若い女性へリサーチする中で、主に大きく2つの課題が見えてきました。
ひとつは、そもそも試合が行われていること自体を知らないこと。スマホの普及によって、テレビCMでは告知が届かない層が増えています。
もうひとつは、コンテンツへの興味が低いこと。4年前はサッカーのルールを知らずとも、お祭り気分で盛り上がるという空気がありましたが、その状況も今は変わり、コンテンツ自体への興味が薄れているのを感じています。
──これまで実施した具体的施策と成果を教えてください。
明石▶ 現状の課題を9月にお聞きし、10月、11月と試合が立て続けにあり時間もなかったので、最初の施策はまずコンテンツに興味を持ってもらうことを目的に、インフルエンサーによるSNSでのシンプルな告知をベースに提案しました。そして、10月11日のアウエーでのオーストラリア戦では、パブリックビューイング会場にインフルエンサーを招致し、サッカー日本代表選手と同じ青いTシャツを着てみんなで応援する様子を発信しました。
また、試合の2~3日前の投稿はInstagramで内容を訴求し、試合直前は視聴率や拡散性を考えてTwitterで発信するなど、PDCAをリアルタイムで回しながら、インフルエンサーの選定方法や、投稿のタイミングも回を重ねるごとに精査していきました。
山下▶ 若年層のサッカーファン拡大を目指すとはいえ、すぐに結果につながるとは正直思っていません。ただ、10月11月の試合では若年層の方々にも少しずつサッカー日本代表を応援していただけているという実感はありました。また3月の試合では、スタジアムに来てくださった一般の方々による参加型の仕掛けも提案いただきましたね。
明石▶ 一人ひとりの拡散力に限りがあっても、約6万人の来場者の熱量を合せるとものすごいパワーになるので、それを生かしたのが3月の#SnSnap施策です。また『MINE BY 3M』のSNSアカウントを使って、Twitterで広告のライブ配信も行い、インフルエンサーがユーザーの質問にリアルタイムでコメントする形で試合を盛り上げました。
山下▶ どこまでが施策の効果か一概には言えませんが影響力はある。それに、一般の方々の投稿内容や反応を見ていると、サッカー日本代表の試合を応援しようという空気が確実に醸成されつつあると感じます。
── 一連のプロモーションのゴールについて教えてください。
山下▶ サッカー日本代表チームの熱い戦いをより多くの人に見てもらうのが私たちの使命なので、流行らせる発想も重要です。そこで8月31日の大一番オーストラリア戦に向けては「突パしようぜ!」をキーワードに4年に一度のアジア突破の瞬間をみんなで観よう、盛り上がって応援しようというメッセージを込めた企画も実施しました。
明石▶ そういった盛り上がりもSNS施策が一助となります。デジタルで自分事化する延長線上に、人々の熱狂を増幅するカギがあるので、双方向のリアクションをより多く発生させるためにも投稿内容に「みんなも見てる?」などの質問・会話形式などで盛り上げる仕掛けが必要です。
山下▶ 来る9月5日の試合は、最終節のアウエーでのサウジアラビア戦になります。すでにW杯出場を決めているか、勝てばワールドカップ出場決定となる最後の大一番かこの対談中は決まっていないのですが、いずれにせよ最終予選の最後の試合(グループ3位の場合はプレーオフ進出)になりますので、老若男女問わず全力で日本代表を応援していただきたいですね。今回の一連の施策は徐々にみんなの盛り上がりを醸成していく手法であり、今後もリアルなイベントとデジタル施策の相乗効果を最大限図りながら、テレビ視聴に繋がるよう、3ミニッツさんと新たな取り組みにもチャレンジしていきたいですね。
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