7月3日、「マーケティングパフォーマンスを最大化させるデータ活用セミナー」が開催された。マーケティングにおけるデータ活用は進んでいるが、さらなる活用を目指す上では散在するデータの統合が必要になる。では。どのようなデータベース設計をし、活用・運用していけばよいのか。事例を基に第一線で活躍する登壇者たちが解説した。
デジタルに必要なのは最適化 データ活用で新たな価値を生み出す
第一部は、コーヒーやチョコレート、ペットフードまで幅広く手がけているネスレ日本 媒体統括部媒体統轄室メディアスペシャリストの村岡慎太郎氏が登壇。デジタル広告の現状について、自社での体験を通じて語った。デジタル広告はその重要性の増加に伴って出稿額も年々増しつつあるが、効果的に運用するためには、まだまだ課題も多い。例えば、運用レポートが届くのが施策実施月の翌月以降になってしまうことで高速PDCAを回すことができないといった問題があった。
そういった問題を、Datorama Japanが提供するマーケティングBI(ビジネスインテリジェンス)、「Datorama(デートラマ)」を導入し、作業を自動化したことで解決したという。「導入により、広告会社側でのレポート作成の時間も削減できました。レポート作成にかかっていた時間を広告戦略の企画に費やすことができるようになったので戦略の質の向上につながったと感じています」と実感を語った。
第二部は、マーケティングBIであり、マーケティングデータ統合エンジン「Datorama」を提供しているDatorama Japan セールディレクター/ビジネスデベロップメントの石戸 亮氏がプレゼンを行い、「デジタルにおいて求められているのは、いかに最適化を行うか。村岡さんの話にあったようにレポート作成やデータの収集・閲覧利用といった部分に貴重なリソースを割くべきではありません」と述べた。
また、社内に散在するデータを集めているとローマ字の表記揺れといった書式の違いに悩まされることがある。同社ではそうした、実は手間がかかっている作業に対して特に注意を払っているという。「全体のパフォーマンスを上げるためにはプロセスの改善こそが重要です」と石戸氏は結んだ。
第三部は、ログの収集とデータ統合・連携に長けたクラウド型カスタマーデータプラットフォーム(CDP)を提供する、トレジャーデータ マーケティング担当ディレクターの堀内健后氏が登壇。価値連鎖の流れを支えるデジタルの働きについて話した。
「デジタルの浸透でマーケティングと販売が、データを介してつながるようになった。これにより、マーケティング投資に基づき売上予測の精度が向上することで価値連鎖を遡り投資や製造・施策の最適化も図れるようになっていく。データの活用は効率化だけでなく、新しい価値も生み出すもの」と大局的なデジタル活用の未来を語った。
また、堀内氏は海外のイノベーションの例としてVIVA TECHやカンヌライオンズなどのイベント参加で受けた実感を発表。"公害由来の煤を利用したインクマーカー"など、社会課題を広告主とテクノロジーで解決することがテーマの出展作品が非常に多かったことから、フランス政府がテクノロジー経済の推進を図るために行う取り組み「フレンチテック」の波が来ていると感じると締めくくった。
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