2002年に創設された「モバイル広告大賞」を継承し、今年で4回目を迎える「コードアワード」。昨年に続き、国際化を推進していた本アワードと受賞作品に注目する。
デジタルを活用したマーケティング・コミュニケーション施策を表彰する「コードアワード2017」の贈賞式が、8月2日に行われた。
今年は2016年4月1日~2017年3月31日に実施・開始された施策を対象に募集。今年からエントリーが有料になったが、過去最高の147作品の応募があった。昨年から国際化を推進する本アワードでは、応募作品147作品のうち、27作品が海外から寄せられた。
審査員長のPARTY・伊藤 直樹氏以下、クリエイティブ、テクノロジー、マーケティングなどの専門家8名による厳選な審査を経て、各賞の受賞作品が決定。「グランプリ」や、「ベスト・イノベーション」「ベスト・クラフト」「ベスト・イフェクティブ」「ベスト・ユース・オブ・メディア」など既存の4部門に加え、今年新設された「ベスト・キャンペーン」、一般投票で最も多くの票を集めた作品に贈られる「パブリックベスト」がそれぞれ選出された。
審査員長の伊藤氏は、「審査を行うにあたり、イノベーションとは何か、クラフトとは何か、と各部門のクライテリアを一つひとつ細かく定義していきながら、各賞を決めました。IoT、AR、人工知能、データサイエンス、スマホ決済など、世の中のデジタル・トピックについて、どの受賞作品も素晴らしい答えを提示していると思います」と講評を述べた。
グランプリ
絶妙なバランスで社会性を捉えた「今年」ならではの作品
「まさに今年を象徴している作品。広告=ブランド、商品へのブリッジをしっかりしつつ社会性を捉えている絶妙なバランスの作品だと思いました。とはいえ、広告を原資としてつくられるものは、「キャンペーン」として一過性でしか展開できないのが現状。「教育」や「経年劣化をしない作品」は、業界全体で継続して続ける努力をする構造改革も必要だと思いました。」(齋藤氏)。
広告会社:電通+Google Zoo/制作会社:ココノヱ+BIRDMAN+ロボット+ワンダラス+電通テック+電通パブリックリレーションズ
ベスト・イノベーション
「聞き間違い」を美しく可視化 アプリを使い社会実装した点も評価
「耳の遠い方に向け、聞き間違えの少ない日本語を教えるという、オリジナリティの高い切り口。それをデータとAIを使いシステマティックに辞書化し、見た目もユニークな「聞き間違いひらがな」として美しく可視化。最終的にアプリを使って社会実装まで踏み込みました。まさにイノベーティブなアプローチで「つくる」と「知らせる」の未来を垣間見た作品でした。」(田川氏)。
広告会社:博報堂/制作会社:エイド・ディーシーシー+クリエイターズグループMAC+AOI Pro.+マテリアル
ベスト・クラフト
作品の要素が三位一体となって魅せる NIKEの新しい挑戦
「広告は80%が"アイデア"、80%が"エグゼキューション"だとJohn Hegartyが言ってましたが、デジタルはここにさらに80%の"エクスペリエンス"が加わってくるのかなと。今回の受賞作は見事にこの3つのどれを欠けることもなく、全て高次元で満たしていると感じました。お見事です。」(佐藤氏)。
広告会社:BBH Communications(Asia Pacific)Pte Ltd/制作会社:PARTY NEW YORK+BIRDMAN+PARTY
ベスト・イフェクティブ
文化に新たな意味と楽しさを創造 若者世代にインパクトを
「審査基準において「成果」をどう考えるか、大きな議論となりました。その結果、経営課題を解決して一定の成果を上げた上で、社会的な話題性やブランド価値向上も果たしたかを判断し、成功した作品が選ばれました。「バレンタインポスト」は既存市場の中でチョコレートを贈ることに新たな意味と楽しさを提供し、特に若者世代に大きなインパクトを残しています。」(田中氏)。
広告会社:PARTY/制作会社:BIRDMAN+ずんシステム+アクア
ベスト・キャンペーン
何度も見たくなるプロモーションでデジタルエクスペリエンスを体現
審査員全員でコードアワードが定義するデジタルエクスペリエンスとは何なのか、という議論を重ね、この動画のプロモーションはデジタルエクスペリエンスに値するという回答に達し、ベストに選ばれました。何度も見たくなる圧倒的なクラフトとムービー内のハッシュタグがデジタル層を意識したつくりになっていることが、分かりやすいかもしれません。」(築地氏)。
広告会社:SIX+博報堂+コスモ・コミュニケーションズ/制作会社:AOI Pro.
ベスト・ユース・オブ・メディア
世の中の課題に一石を投じる アイデアとクリエイティブに高評価
「本部門では、新しい「枠」にアイデアとクリエイティビティを取り入れ、世の中の課題解決に繋げている作品が高く評価された。「Japan Taxi Wallet」は、タクシーの乗車で一番面倒な「支払い」に着目し、車内モニターとQRコードを使った決済システムで改善するアイデア。Uber導入の遅れやクレジットカード情報公開に敏感な日本の状況をうまく反映しているところもミソだ。」(ナージャ氏)。
広告会社:-/制作会社:-
パブリックベスト
視聴者を巻き込んで体験させる作品 技術が融合的なクリエイティブに
「本作品の特に面白かった点は、人工知能の「りんな」が女優としてドラマに出演することを、LINEやブログを通じて伝え、視聴者が体験できるというところです。また、この「りんな」のコアな技術である音声認識と人工知能、音声対応という一連の非常に高度な技術が、今回の企画では融合的なクリエイティブとして表れていて非常に評価できると感じました。」(本間氏)。
広告会社:-/制作会社:カヤック+フジテレビジョン+共同テレビジョン+マイクロソフトディベロップメント
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