2002年に創設された「モバイル広告大賞」を継承し、今年で3回目を迎えた「コードアワード」。今年は国際化を推進し、グローバルな広告賞を目指す本アワードに注目する。
デジタルを活用したマーケティング・コミュニケーション施策を表彰する「コードアワード2016」の贈賞式が、7月27日に行われた。
今年は2015年4月1日~2016年3月31日に実施・開始された施策を対象にエントリーを受け付け、昨年の応募総数123点を超える、過去最多139点の作品が集まった。審査員長のTBWA\HAKUHODO・佐藤カズー氏以下、クリエイティブ、テクノロジー、マーケティングなどの専門家9人(うち5人が新任)による厳正な審査を経て、各賞の受賞作品が決定。「ベスト・イノベーション」、「ベスト・クラフト」、「ベスト・イフェクティブ」の既存3部門に加え、今年新設された「ベスト・ユース・オブ・メディア」、「ベスト・ユース・オブ・データ」、「審査員特別賞」の3賞と、一般投票で最も多くの票を集めた作品に贈られる「パブリックベスト」がそれぞれ選出された(グランプリは該当作品なし。審査結果は本文後半部に記載)。
今年はGoogleのチーフ・クリエイティブ・オフィサーであるジョン・メリーフィールド氏を審査員として招聘するなど、アワードの国際化を推進。その結果、アワード史上初めて、中国やタイなど海外からも作品が寄せられた。
審査委員長の佐藤氏は、「今回は、グローバル視点を持つ人を審査員に招くことで、議論の質を上げました。国内でエフェクティブにワークするというのは当然ですが、そこに『グローバル』というフィルターが加わった時に、輝ける仕事なのか、ということを徹底的に議論しました。質の高い議論や目利きの中で勝ち上がっていった作品は、カンヌライオンズなどでも結果を出しています。来年は本賞をもっとグローバルに向けてPRし、海外からのエントリーを増やしていきたい。デジタル体験はグローバル視点で考えていくものだという認識が、本賞を通じて広まっていくと良いですね。『ポケモンGO』の次を、この賞に関わった誰かがつくる。そんな賞にしていけたらと思います」とアワードの今後に期待をのぞかせた。
ベスト・イノベーション
嫌いを好きに
消費者に寄り添ったイノベーション
「お子さんのいる親なら分かるかと思うが、子どもに歯みがきをさせるのは大変なこと。僕も子どもに『G·U·M PLAY』をやらせたら、歯みがきが嫌いだった子が、毎日『歯みがきしたい』と言うようになった。『嫌だ』から『やりたい』へと気持ちが変化したというのは、まさにイノベーション。親代表としてお礼が言いたい」(築地氏)。
PARTY+1-10drive, Inc.+1→10design,Inc.+IMGSRC+SalvoInc.+HoneycombLab+Qosmo,Inc.+白組+S2 Factory+GeekPictures+TYMOTE+愛印+MelodyPunch+Platinum
ベスト・クラフト
視覚からブランドの持つ価値を深める
消費者の心へ届く施策に評価
「自分の名前の漢字が持つ世界観やイメージが、『GREEN NAME』によって可視化され、『グリーンラベル』というブランドと共に消費者の心に届いた。ブランドの持つ価値やイメージが、視覚から入って、消費者の心の深いところに到達していく。その体験によって、多くの人がブランドをさらに好きになったと思う」(田中氏)。
広告会社:電通/制作会社:PARTY+電通テック+Caviar+ADBRAIN+AID-DCC+minsak+mount position+puzzle+amana+melodypunch+catchball
ベスト・イフェクティブ
「自撮り」から広がる景色
デジタル世代に合わせた手法
「イフェクティブというのは数字も大切だが、『その数字を達成するためのアイデアをいかに思いついたか』というクリエイティビティが重要で、『GIGA Selfie』はその点が素晴らしい。『ドヤ顔』で撮られる自撮り写真は、景色がわかりにくくなりがちだが、『GIGA Selfie』は自撮りから入り、背後の景色へと広がっていくというデジタル世代が好きな手法だと思う」(ナージャ氏)。
広告会社:TBWA\HAKUHODO/制作会社:AOI Pro.+エイド・ディーシーシー
ベスト・ユース・オブ・メディア
まるでモバイルジャック
企画のよさをそのまま伝える手法に評価
「この部門はいつも面白い。『Native MovileMusic Video』は、企画の一番大事な部分を、そのままタイトルにしている点に、意思と分かりやすさを感じる。モバイルネイティブ世代に向けた、モバイル向けのミュージックビデオをつくった。携帯で見ると、すごくいい。本当にモバイルをジャックされているような感じになる。審査員一同、自信を持って本作品をベストに推した」(伊藤氏)。
広告会社:TBWA\HAKUHODO /制作会社:AOI Pro.
パブリックベスト
いかに新しく面白い体験を提供できるか
広告としても機能するアイデア
「この賞は、一般投票のみで決まる。ある意味、『デジタルエクスペリエンス』、つまりデジタルを活用して、いかに新しく、面白い体験をユーザーに提供できたかということを、ユーザー目線で評価される賞だと言っても過言ではないだろう。ユーザーを楽しませるところから、最終的に消費につなげていく広告としても、素晴らしい作品だったと思う」(坊垣氏)。
広告会社:HAKUHODO THE DAY/制作会社:AOI Pro.+ライゾマティクス
審査員特別賞(グッド・イフェクティブとのダブル受賞)
重要なのはアイデア
「ほしい」と思わせるアイデアに評価
「審査を通じて感じたのは、突出したレベルの作品もあった一方、多くの作品はアイデアが乏しく、『技術アピール』に終始していたということ。重要なのは技術ではなく、素晴らしいアイデアだ。それに出会った時、人は『自分もこれが欲しい』と思うのではないだろうか。審査会場を後にした時、私は『このクールな12脚の椅子をGoogleの会議室に導入するには、どうしたら良いか』と考え始めていた」(メリーフィールド氏)。
広告会社:TBWA\HAKUHODO/制作会社:BIRDMAN+TYOプロダクションズ2
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