多様な生活環境で複雑化する意思決定プロセスを俯瞰的に捉える
創刊900号を迎えるにあたり、改めまして読者の皆さま並びに、月刊『宣伝会議』にご協力をいただいております皆さまにはこの場をお借りし、厚く御礼申し上げます。
マーケティングは、「メタ」で動かす。
国土が南北に長く、地域によって気象環境が変わる日本。さらに地球規模での気象環境の変化が、直接的に私たちの衣食住に影響を与えています。気象という環境をどう戦略に取り組むべきなのでしょうか。衣料のマーチャンダイジングの現場の取り組みから考えます。
ジーンズを中心としたカジュアルウェアを販売するライトオンは、全国各地に514店舗(8月20日現在)を展開する衣料専門店。本社のある茨城県つくば市で、全国の商品調達・店舗の全体戦略を検討し、各エリアのマネージャーと連携する。特別施策が必要な地域の在庫コントロールや販売促進は、ライトオン 商品調達部 店舗コントロールチームが行う。
その中で、特に異なる二つの地域を軸に店舗を見ているのが、北&南地域対策担当の田辺良太氏だ。北は北海道、南は沖縄。気候差が大きい二つの地域を担当して、季節の変わり目や気候の違いをふまえ商品投入時期・マーケティング・チラシなどの販促を検討する。田辺氏が現職に就いたのは、ちょうど1年前。2つの地域を比較することで、気候差・地域差による個客の消費行動の違いがどのように見えてきたのだろうか。田辺氏・店舗コントロールチームリーダーの安積範晃氏に聞いた。
会社全体の販売方針に沿いながらも、地域差をふまえた店舗コントロールを行うのが …