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インナーブランディングを成功させる戦略と仕組みづくり

フォワード

ブランドコンサルティング事業を展開するフォワードは6月、企業のコミュニケーション・ブランディング担当者を対象に「インナーブランディング」セミナーを開催した。ブランドに対する社員の共感をいかに生むか・・・先進企業の実例を交えて紹介した。

「ブランディングには、それを実現するための社内システム・仕組みの構築が重要」(フォワード代表・加藤明拓氏)。

多様な価値観の社員と向き合い一人ひとりのベクトルを揃える

ブランディングというと、対顧客・対生活者向けのコミュニケーションを思い浮かべる人が多いだろう。しかし、それらを成功させるためには「社員」を対象とするブランディング、すなわちインナーブランディングがカギになる。同じ社内でも、所属部門や役職によって抱える課題や価値観はさまざま。それによってブランドに対する意識も異なるため、苦労しているブランディング担当者も多い。そこでセミナー第一部では、企業のブランドコンサルティングを手がけるフォワードの代表取締役社長・加藤明拓氏が、「いかに社内にブランドを浸透させ、日々の業務に落とし込んでいくか」を、具体的な事例を交えて紹介した。

ブランディングが「きれいなコンセプトをつくって終わり」にならないためには、「コンセプト(顧客に提供するべき、また提供することを期待される価値)」および「システム(価値を継続的に創出するための仕組み)」という土台の上に、「顧客接点活動」を積み重ねていくことが求められるという。特に加藤氏は、ブランディングのための社内システム・仕組みの構築が重要だと指摘。そこでは、「心理面」「合理面」という2つの観点が必要だという。「心理面」で重要なのは、「経営者と社員のズレ」を認識することだ。自社全体と、それを取り巻く環境を長期的な視点で考えている経営者と、日々目の前の業務で結果を出そうとする現場社員では、「視界のズレ」と「時間感のズレ」が生じる。そのため、経営者が決定したブランドコンセプトをただ共有するのではなく、社員との間で視界と時間感を調整する必要がある。加藤氏は一例として、とある企業の「ブランドコンセプト共有会」で用いられたケーススタディを紹介した。“ある架空の島で起きる出来事”を題材にしながら、いま企業が直面している現実や課題と、コンセプトの策定プロセスを体感していく。会社が置かれている状況を、立場を超えて全社員で理解する狙いだ。

また合理面という観点では、策定したコンセプトが日々の業務にどう活かされているか、課題はないかを発見するための「定点観測」が必要だという。社員向けのアンケートなどを通じて定期的に診断を行いながら、社内の納得感を醸成していく。

セミナー第二部では、こうしたインナーブランディングの先進企業として、東急不動産住宅事業ユニット事業戦略部業務推進グループリーダーの内藤秀人氏と、ユナイテッドアローズグリーンレーベルリラクシング本部の林三博氏が登壇。加藤氏のモデレートの下、パネルディスカッションを行った。

内藤氏は、マンション「BRANZ」の経験を例に、「良いものをつくれば分かってもらえるだろう」と思い込んでいる段階から、ブランドを持つことの重要性について共通認識を持つ段階へと意識を変化させていくことが、インナーブランディングにおいて最も難しいと語った。林氏は、これまではバイヤーや販売員のセンスに頼るところが大きかったが、店頭やパンフレット・Webサイトなどの顧客接点における施策や表現を、お客さまの視点で判断できるようになったと、インナーブランディングの成果を共有した。

セミナー後は加藤氏・内藤氏・林氏を交えた懇親会が行われた。参加者から、自社のインナーブランディングについて相談が寄せられるシーンも。社内においてブランド浸透を図るための、実践的なセミナーとなった。

パネルディスカッションには、東急不動産・内藤秀人氏(右)と、ユナイテッドアローズグリーンレーベルリラクシング本部の林三博氏(左)が登壇。

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