“洗練されたクリアな味、辛口”でファンの多い「アサヒスーパードライ」。アサヒビールは2015年上半期、マーケティング施策として、訴求対象を細かく分ける、商品価値を一層際立たせた商品を販売するなどしてブランド価値の向上を目指している。
「アサヒスーパードライ」アサヒビール
新規顧客の獲得や商品価値を際立たせた施策
「戦略の基本は“コト”と“モノ”をその時々に合わせて最適に組み合わせることです」と話すのが、マーケティング本部マーケティング第一部次長の松葉晴彦氏。今年2月には「アサヒスーパードライ スペシャルパッケージ」を春季限定で発売。鮮やかなピンク色をベースにした、満開の桜を散りばめたパッケージデザインが印象的だ。花見をはじめ、家族や友人と集まって食事する機会が多いこの季節に、旬の花である「桜」をデザインに取り入れることで、新たなユーザーの獲得を狙った。
3月には「アサヒスーパードライ エクストラシャープ」を、こちらも期間限定で発売した。テイストを従来よりもさらに辛口にし、アルコール度数も5.5%と高めにした。“キレ”や“シャープさ”がより強調された“超辛口スーパードライ”としたのだ。
この商品の開発背景について松葉氏は「スーパードライユーザーの方は“辛口”や“キレ”にコア価値を感じて選んでくださっています。この基本に立ち返り、価値をさらに際立たせることで、既存ユーザーの嗜好に応えました」と話す。
さらに、2011年から続く、歌手・俳優の福山雅治さんとのコラボレーション企画を、ビール需要が期待される春の行楽シーズンに実施した。当選者は、福山さん出演のテレビCM撮影現場にペアで参加できるというこの企画には、予想を超える応募があり、6月に都内イベント会場で行われたCM撮影では、福山さんと当選者8000人が大合唱し、全員がスーパードライで乾杯した。
2010年から続いていて、顧客とのリアルな接点である「アサヒスーパードライ エクストラコールドBAR」は今年、新規顧客の開拓などを狙い、銀座三越など全国の主要百貨店9店舗で展開している。
「百貨店には情報感度が高い女性や訪日観光客が多数訪れます。こうした新しい層に対する情報発信の役割も担っています」と松葉氏。フードメニューには通常メニューのほか、百貨店が取りそろえるお中元商材を加えるとともに、百貨店ならではのハイレベルな接客サービスもあり、利用客からは好評を博した。
最近の施策
最近の施策:1
春季限定の「アサヒスーパードライ スペシャルパッケージ」(左)。
同じく期間限定で3月に発売した「アサヒスーパードライ エクストラシャープ」(右)。
最近の施策:2
福山雅治さん出演のテレビCM撮影にペアで参加できるという
クローズドキャンペーンには、多数の応募があった。
自身の情報収集だけでなくブレストで意見を確認
こうした企画の立案を含め、日頃どのように情報収集しているのだろうか。松葉氏は「書籍や雑誌などから情報を得ることも多いですが …