ハイドロコロイドという素材を使い、“キズをうるおして早く、きれいに治す”が特徴のバンドエイド「キズパワーパッド」(以下、キズパワーパッド)。子どもがキズをつくりやすい夏場に盛り上がるが、冬は少し伸び悩んでいた。そうした中で昨年から今年にかけて、「あかぎれ」に注目し、冬にトレンドを生み出した。
バンドエイド® 「キズパワーパッドTM」
ジョンソン・エンド・ジョンソン
“○○に使える”具体例の発掘
一般的に「絆創膏」と言われたときに想像する商品の市場は、ここ10年横ばいが続く中、キズパワーパッドに代表される「ハイドロコロイド素材」を使った絆創膏は、発売以来大きく伸びており、市場をけん引している。そこで大きな役割を果たしたのが、発売前から行った“キズを早くきれいに治す、モイストヒーリング(湿潤療法)”の啓発活動だ。「まず医療現場や学校で活動を行いました。その後、P R施策によって情報番組でも取り上げられるようになり、主婦層にも認知が高まっていったのです」(マーケティング本部ブランドマネジャー 岸田愛子氏)。そして“夏場は小さな子どもはキズをつくりやすいので、それを早く治してあげたい”という主婦のマインドを捉えて成長。「グローバルで見た時に、キズパワーパッドが最も成功しているのが日本」という状況にまでなった。ただ、成長するにつれ、他社からも類似の商品が販売されるように。そうした中で昨年行ったのが、“あかぎれ”にスポットを当てたマーケティング施策。これにより、売上げが伸びにくい時期だった冬にトレンドをつくることに成功した。「キズの治癒についての満足度を調査すると、生活者が“あかぎれはとても治りにくいキズ”と悩んでいることがわかりました。一般的な対処法として保湿クリームを塗るのですが、水仕事などですぐに効果がなくなってしまう。その悩みに“防水性があり、ただ貼るだけで早く治せるキズパワーパッドは応えられる”というアプローチを行ったのです」。
施策としては、まずデジタルを活用してあかぎれに悩んでいる人に情報を発信。その後、テレビCMを放映する流れとした。これにより、いままでテレビだけではリーチできなかった若年層の新規顧客を取り込むことができた。さらに「いままではキズが早く治るという機能面の訴求が中心でしたが、今回のことで、具体的に生活者の悩みにどう役立つことができるのか、というソリューション提案へと、コミュニケーションのステージが上がりました」と岸田氏は話す。
それを受けて2015年の春から展開するのが …