2011年のリニューアル発売以来、朝の食卓に新しい風をもたらした「フルグラ」。「ヨーグルトとともに」という提案訴求で売り上げが急騰。年間売上が2年連続で過去最高を記録している同ブランドの新たな取り組みとは。
「フルグラ」カルビー
シリアル市場ではなく
朝食市場と捉えて大ヒット
玄米、オーツ麦などを焼き上げ、フルーツをミックスしたフルーツグラノーラ=「フルグラ」は、この3年間で売上げを37億から143億へと100億以上も増やしているヒット商品だ。
人気急騰のきっかけとなったのが「ヨーグルトとともに」という提案訴求だ。従来のシリアル市場の中で競争するのではなく、マーケットを朝食市場と捉えようと発想を転換した。「朝食にヨーグルトを召し上がる女性が多いことを知り、ヨーグルトと「フルグラ」を組み合わせた食事になるヨーグルト“グルグラ”として朝食市場に新しいカテゴリーを作ろうと考えたのがきっかけです」と、マーケティング本部 フルグラ事業部長 藤原かおり氏は語る。この着想は功を奏し、シリアルと言えば牛乳という従来のスタイルにヨーグルトという選択肢を与え、いまでは女性を中心にごはん、パンに次ぐ第3の朝食となりつつある。
成長を阻む「壁」を越えるため
掲げた3つの挑戦
今年6月に行われた事業戦略発表会で、同社はグルグラ事業の中期売上げ目標を100億円と発表した。その実現に向け、フジッコ、やまぐち県酪、不二製油をアライアンスパートナーとして迎えることでコラボレーションを図り、新たな3つの挑戦を掲げている。3つの挑戦とは「機能+α」「地方発」「和朝食」である。健康でヘルシーであることの訴求を機能偏重、シリアルはおしゃれで洋風の都会の食べ物という訴求を都会偏重や洋風偏重と、これまでブランドが訴求してきた点をあえて …