京都祇園の四川料理店「祇園四川燕来房(ヤンライファン)」(京都市)は、食と音楽を融合させたイベントを手掛けるユニット「EATBEAT(イートビート)!」とコラボし、コロナ禍における“黙食”を楽しむ体験を4月15日から提供している。
本企画は、コロナ禍で黙食が推奨されるなか、飲食を楽しむ1つの体験として、クリエイティブディレクターを務めたTOMODACHI Ltd.代表の梶友宏氏が考案。EATBEAT!とともに、中華の炒める、揚げるといった調理音と、京都の生活音をリミックスした曲「The Beat of Sichuan!(ビートオブ四川)」を制作した。
この曲は、燕来房に来店するとメニューとともに視聴用のQRコードが渡され、スマホからアクセスすることで、料理を食べながら聴くことができる。また、この曲とMVは、燕来房のホームページでも楽しめる。
4月13日に店舗でプレスイベントを実施したところ、関西の情報番組をはじめとするテレビ番組に取り上げられ、放送後は「食べログ」や「一休」などの予約サイトの閲覧数が10倍以上に伸長し、予約も増加するなど反響があったという。Twitterなどでも多くの好意的なコメントが寄せられ、これまでは高級中華として接待の利用が主だったが、若い女性など新規顧客の認知獲得にもつながった。
来店客からは、曲の完成度の高さも評価され、「これは聴きながら食べたくなる」と、音楽と食のアンサンブルを楽しむ様子がうかがえたという。

「The Beat of Sichuan!」が視聴できる燕来房のホームページ。

曲を聴きながら黙食を楽しむ様子。

「沸騰魚」「麻婆豆腐」「エビチリ」のいずれかを頼んだ人には、料理説明動画が視聴できるQRコードを配布した。


曲の音源となる調理音をサンプリングする様子。音源の一つであり、料理説明動画も配布している「沸騰魚」は、仕上げに熱々の油を注ぐパフォーマンスに「驚きがある」と反響があったほか、「おいしい」と、料理を再評価する声も聞かれたという。