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おうち需要で利用者拡大 テイクアウト・デリバリーで勝ち抜く策とは

眞喜屋実行(はぴっく)

コロナ禍で利用者が拡大した「テイクアウト・デリバリー」。飲食店も新たな施策として取り入れることが多くなった昨今、自店に応用できる6つの販促視点を解説する。

購入した商品を店内で食べる「イートイン」と、購入商品を別の場所で食べる、または運ぶ「テイクアウト・デリバリー」は全く別物で、違う業種だと考えましょう。通常の飲食業(イートイン)と、テイクアウトやデリバリーでは提供するメニューはどちらも食べ物です。しかし、お客さまが受け取る価値は全く違います。

ここではイートインとテイクアウト・デリバリーの違い、テイクアウトで選ばれる店舗になるためのポイントを紹介していきます。

お客さまが受け取る価値「QSCA」

イートインの場合、お客さまが受け取る価値には「QSCA」があると言われます(Q:クオリティ・S:サービス・C:クレンリネス・A:アトモスフィア(雰囲気))。お客さまの満足度はこれらの総合で決まります。テイクアウトやデリバリーではそうはいきません。QSCAのうち「S・C・A」の価値を提供することが難しいのです。

まずはS(サービス)面について。イートインでは店内での丁寧なおもてなしやメニュー説明もしっかりできますが、テイクアウト・デリバリーでは難しく、店頭での注文・受け渡し時点に限られます。C(クレンリネス)やA(雰囲気)は、店頭やテイクアウト容器、対応するスタッフさんの清潔感に限られてしまいます。

さらに、残ったQ(クオリティ)でもイートインほどの価値を出すのは難しいでしょう。店内では調理したてを提供できますが、テイクアウト・デリバリーではどうしても食べるまでに時間が経ってしまうからです。

このように、テイクアウトやデリバリーは、通常のイートインで提供している価値の大半を提供できないことが分かります。この点を気にせずにただ料理を提供しているだけだと、満足度はグンと下がってしまうのです。

では、テイクアウト・デリバリーは、イートインより満足度が下がることが前提なのでしょうか?それも違います。テイクアウトやデリバリーには、イートインにない構造があります。それを逆手に取れば新たな価値を生むことも可能です。

テイクアウト・デリバリーでは、お客さまは店内で飲食をせずに、ご自宅に持ち帰って食べたり、会社に持ち帰って食べたりします。特に会社内で食べる場合はチャンス。社内には、他のお店で買ってきた料理を食べている方もいるはずです。お互いに「どこで買ったの?」と、イートインよりも口コミのチャンスが高まっているということです。ただし待っているだけでは口コミは起きづらい。意図的にしかけをしておくことが大切です。

そして、テイクアウトやデリバリーに参入する上で、正面から戦ってはいけない相手がいることも忘れないでください。

正面からの戦いを避けるべき店

コンビニや弁当販売チェーンでは、数百円で高品質のお弁当や惣菜が販売されています。お客さまの周りにはすでに、安くておいしいものがたくさんあるのです。そして、それらの企業は研究を重ねてきた大ベテランでもあります。宅配ピザやお寿司の企業も侮れません。正面から勝負して勝てる見込みはないでしょう。飲食店がデリバリーやテイクアウトに挑戦する際は、このことを十分理解したうえで、「コンビニやチェーン店では体験できない価値」をつくることが大切です。

6つの販促視点と13の具体策

では具体的にはどんな策が有効か。6つの視点で13の具体的な販促アイデアを紹介します。1つだけ実践するよりも、いくつか組み合わせることでより強力な販促になります。ぜひ自店に応用して繁盛への弾みをつけてください。

切り口1
見せ方を変えて、価値を高める

提供する料理が同じでも、見せ方や組み合わせ方に工夫を加えると価値を高めることができます。


①カテゴリーを変える
例えば「お弁当」というカテゴリーだと、お客さまの頭には400〜600円の価格帯が浮かぶでしょう。コンビニや他チェーン店がその価格帯だからです。1000円を超えるお弁当だと高く感じる方が増えます。

では、カテゴリーを変えるとどうなるでしょう。「ご自宅用プリフィクスコース」「10種御膳」などとしてみます。「お弁当」ではなく「コース料理」「御膳」という位置づけになると価格感が高まります。1000円を超えても高いと感じない方も増えるのです。


②組み合わせ提案で新たな価値を
テイクアウトやデリバリーでは、先述の「S・C・A」が抜けてしまうため「料理自体の価値」が勝負ドコロになります。ですが、販売の仕方によってはイートイン以上の価値をつけることもできます。

料理同士の組み合わせの提案や、お酒とのペアリングの提案をしてはどうでしょう。例えば「ハンバーグとAの総菜を一緒に食べると芳醇な香りが際立つ」「○○丼は、半分食べた頃にこちらのスープを注ぐと、新たな味わいに」などの提案を。こうすると組み合わせの価値を生み出すことができます。お客さまも単品の料理以上の価値を感じてくれるでしょう。

料理に合う日本酒の提案などもOKですが、お酒の販売を行う場合は許可を得ている場合に限られます。



切り口2
情報も食べてもらう

接客タイミングが限られるテイクアウト・デリバリーでは、こだわりや堪能ポイントをきちんと伝えきれていないかもしれません。そこを補うと価値が高まります。


③「こだわり情報カード」の同封
口頭で説明が...

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