店舗を訪れる意義とスタッフのもうひとつの顔
欲しいモノが手に入り、欲しいと思えるモノに出合えるのは、もはや当然とされる世の中となった。ただ買うだけであれば、ネットでも可能だし、むしろ便利だ。実店舗では、これまで以上に、体験価値を強化する必要がある。
オンライン購入の人気が高まるなか、実店舗が提供する価値には変化が求められています。欲しいモノが手に入る、見つかるという機能はもちろん、驚きや安心、楽しさ、スリルなど、情緒的な価値を感じられる機会を提供する。そうした感性的な欲求に訴える、さまざまな店舗を紹介します。
欲しいモノが手に入り、欲しいと思えるモノに出合えるのは、もはや当然とされる世の中となった。ただ買うだけであれば、ネットでも可能だし、むしろ便利だ。実店舗では、これまで以上に、体験価値を強化する必要がある。
縮小が危機的な状況にある書店業界。求められているのは書店の再定義だ。有隣堂は、これまでも新業態に挑戦し、一定の成果を収めてきたが、書店の殻を破るまでには至っていなかった。このほどオープンした新業態は、その突破口となるかもしれない。
かつて日産自動車のカルロス・ゴーン社長は「企業の強さは多様性の中に眠る」と述べた。企業にかぎらず、どのような場所でも、多様性はポテンシャルとなりそうだ。しかしそのままでは不十分。その力を発揮させる工夫をしなければならない。誰にとっても過ごしやすい空間づくりは、その店の力を最大限に引き出す。
Eコマースサイトなど、インターネットの普及により、消費者は、財布さえゆるせば、自由に欲しいものを購入できる時代となった。商業施設でも、それ以上の体験価値を強化した例が増えている。
多種多様な施策・イベントで、「松屋ファン」を増やしている松屋銀座。松屋カードを持つ顧客の利用も、免税を除く日本人客の利用も前年を上回って推移しているという。その根底にある考え方とは。
「百年に一度の再開発」が進む渋谷。少子化・多国籍化・超高齢化⋯などの社会の変化にともなって、渋谷がその姿を変えようとしている。渋谷を訪れる、渋谷で働く、渋谷に住む─「SHIBUYA CAST.(渋谷キャスト)」は、渋谷にいる意義をもたらせる施設を目指すという。
ルミネは4月6日~5月6日にかけ、各地から生産者を招いた青空市場「ルミネアグリマルシェ」を開催している。場所はJR新宿駅新南改札口そば。毎日、夜8時までオープンしており、帰宅ついでに立ち寄る人の姿も目につく。いま、ルミネがマルシェを開くのはなぜか。
まだ見ぬ魅力的な商品に出合えるかもしれないのは、実店舗の魅力だ。さすがにネットで片っ端から「知らないモノ」をチェックしていくのは骨が折れる。しかし欲しいモノがなかったときの徒労感もある。商品に出合わせながら購入ハードルを下げるには。
3月23日、チケット販売店「ローチケ日比谷チケットボックス」が、「日比谷シャンテ」入口前広場に開業した。しかし、チケットはネット購買が便利なのも確か。出店するねらいは何か。ローソンHMVエンタテイメントは「コンシェルジュ的な店舗にしたい」と話す。
近年、宿泊できる施設が話題だ。ただ泊まれるだけでなく、付随する体験も多彩。ブランド価値を伝える接点にもなる。しかし「民泊」が普及し、泊まるだけなら、比較的安価に抑えられるようになった。コモディティ化を避けるアイデアが必要だ。