Eコマースサイトなど、インターネットの普及により、消費者は、財布さえゆるせば、自由に欲しいものを購入できる時代となった。商業施設でも、それ以上の体験価値を強化した例が増えている。

顧客の悩みに答える専門知識が競争力となる
西武池袋店は、来店客の悩みや要望に応え、カウンセリングに重点を置いたサービスステーションを各フロアに設置している。サービスステーションには、専門販売員が常駐。
化粧品売り場にある「キレイステーションでは、肌解析の機械を設置。予約制でビューティーアドバイザーによるカウンセリングを行い、来店客の肌の悩みや、肌質にあったスキンケアを紹介する。キレイステーションでは商品の販売はせず、カウンセリングを経て、おすすめの商品を案内するのみ。売り上げの底上げにつながっているという。
「こうしたサービスステーションは無料で利用でき、各領域に設置しています。うまく解決してさしあげられれば、それは特別な体験となり、『また来てみよう』と、再来店を促すことになります。サービスの付加価値が高まれば、リピーターとなり、従業員のモチベーションアップにもつながります」(そごう・西武)
こうしたサービスを提供するには、複合的な知識、編集力が必要だ。婦人服売り場のコーディネートステーションでは、たとえば入学式に適したコーディネートが知りたい、と相談すると、売り場を横断して商品を選んでもらえる。最新の商品情報とコーディネート力、予算とのかね合いなど、考えに入れるべき情報は見かけ以上に多いはずだ …
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