企業の未来を象徴するブランド
ミツカンは2019年3月5日、同社初のD2Cブランド「ZENB(ゼンブ)」をローンチした。コンセプトは、「『食べる』のぜんぶを、新しく。」。商品開発の段階からデザイン面に力を入れ、売上も昨年比8倍と成長している。国内外で商品を展開するミツカンはなぜD2Cのブランドを立ち上げたのだろうか。
海外で先行し、購買行動の変化によって多数登場しているD2C(Direct to Consumer)ブランド。クライアントワークとして、あるいは自らが事業主としてクリエイターがD2Cブランドに関わるようになったケースが近年増えています。また、D2Cの事業会社ではインハウスでデザイン開発に着手するケースも見られます。そんな中、ブランドの世界観を構築し、ユーザーに届けるためにクリエイターが果たす役割とは。またプロダクトそのものやパッケージ開発はもちろん、サービス設計や体験価値の提供も含め、ユーザーの心を動かし、愛され続けるブランドのつくり方とは。新興企業、大企業などさまざまな最新事例とともに考えます。
ミツカンは2019年3月5日、同社初のD2Cブランド「ZENB(ゼンブ)」をローンチした。コンセプトは、「『食べる』のぜんぶを、新しく。」。商品開発の段階からデザイン面に力を入れ、売上も昨年比8倍と成長している。国内外で商品を展開するミツカンはなぜD2Cのブランドを立ち上げたのだろうか。
ロート製薬は2020年7月22日、D2Cのスキンケアブランド「SKIO(スキオ)」を発売した。商品からコミュニケーションまで一貫したブランドのコンセプトは、「無理なく、無駄なく、美しく」。ブランドと消費者の“出会い”の瞬間から工夫を詰め込んでいる。
椎茸を使っただしなどを販売する「椎茸祭」(しいたけまつり)。菌種と農家を厳選した原木椎茸と、植物性の原料のみを使用するなどこだわり抜いた商品のみを提供してきた。“平和”と“調和”を表現しているというパッケージデザインも内製し、2017年の設立以来ファンを増やしてきた。
ブランディングからプロモーション、サービス開発などを行うクリエイティブエージェンシー PARKは、メンズスキンケアブランド「LOGIC」を立ち上げた。泡洗顔とミスト化粧水の2商品を現在展開する。初の自社オリジナルプロダクトとなり、商品開発はもちろん、デザイン、物流、EC運営までを担う。
今年3月にブランド開始から5周年を迎えたおやつのサブスクリプションサービス「snaq.me(スナックミー)」。ダイレクトにユーザーとつながることで得た膨大なデータをもとにサービスの改善を重ね、相互のコミュニケーションを感じさせる体験をデザインしている。
元フェイスブックジャパン代表取締役の長谷川晋さんが立ち上げた、MOON-X。現在、クラフトビールブランド「CRAFT X」、女性向けスキンケアブランド「BITOKA(美透花)」、男性向けスキンケアブランド「SKIN X」の3ブランドを展開する。クリエイティブ責任者の栗山修伍さんに、ブランディングやデザインの考え方などについて聞いた。
「D2Cブランド」が次々と登場する中、実際の担い手であるクリエイターたちは、その定義や位置づけをどう見ているのだろうか。D2Cブランドのコンサルティングを多数手がける、HARKEN 代表 木本梨絵さん、DAYLILY CEO 小林百絵さん、「ともコーラ」のプロデューサー 古谷知華さんの3人に話を聞いた。
海外で先行し、既にアメリカでは飽和状態ともいわれるD2C市場。これまでの成功例から、D2Cに関わるエージェンシーやクリエイターに求められる役割が見えてくる。海外D2Cを含むブランド開発に詳しい廣田周作さんが解説する。