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ユーザーの心を動かす D2Cブランドのデザイン戦略

ユーザーとブランドを進化させ、ポートフォリオを拡張する

MOON-X

元フェイスブックジャパン代表取締役の長谷川晋さんが立ち上げた、MOON-X。現在、クラフトビールブランド「CRAFT X」、女性向けスキンケアブランド「BITOKA(美透花)」、男性向けスキンケアブランド「SKIN X」の3ブランドを展開する。クリエイティブ責任者の栗山修伍さんに、ブランディングやデザインの考え方などについて聞いた。

(左から)クラフトビールブランド CRAFT X「クリスタルIPA」(瓶、缶)。男性用スキンケアブランド SKIN X「ザ・エクスフォリエーター」「プラチナムエディション ザ・モイスチャライザー RED」「プラチナムエディション ザ・クレイウォッシュ RED」。女性用スキンケアブランド BITOKA「BITOKA 花蜜酵母エッセンス」「BITOKAクリスタルクリーム」「BITOKAアンピュール10」。

日本の技術を活かしたブランドづくり

「『作り手』と『お客様』との“共創”を通じて、新しいJAPAN BRANDを、次々と確立する。」というビジョンを掲げるMOON-X。その想いに共感し、創業メンバーとして入社し、同社のCCO(Chief Creative Officer)を務めるのが楽天やフェイスブックジャパンでも長谷川さんと仕事を共にしてきた栗山修伍さんだ。

「最近、日本発のブランドの名前を聞くことが少なくなったように思っています。しかし、日本には繊細で高い技術を持つ伝統工芸や職人さんがたくさん存在する。私たちは、そうした素晴らしい『作り手』の方々と共に日本発のブランドを次々と創出し、日本の魅力をもっと世界に発信できればと考えています」。

同社が最初に立ち上げたのが、クラフトビールブランド「CRAFT X」である。クラフトビールを選んだきっかけは長谷川さんがアメリカでホップを大量に使用してつくられるIPAと呼ばれるビールを飲んだ際、その圧倒的な美味しさに感動したこと。“こんなに美味しいクラフトビールがあることを日本のみんなにも知ってほしい”と木内酒造(茨城県那珂市)と意気投合し、レシピからつくりあげたという。

また、女性向け化粧品「BITOKA」は、サンカヨウという北海道の大雪山を中心に生息する、雨や露に濡れると花びらが透明に変わる花の花蜜酵母エキスを活用。そうして、内側から発光するような発光透明肌の実現を目指している。

「あまり一般的には知られていないが、優れている日本固有の技術・成分に着目し、製品づくりに活かすというのは、どのブランドにおいても重視しています。それに加えて、マーケティング視点で考えたときの市場ニーズと、自分たちの興味や得意領域を掛け合わせて開発しました。長谷川とBITOKAのブランドディレクターの下村祐貴子は、P&G出身。また、デジタルでのコミュニケーション設計は...

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